kintoneとATTAZoo+はNPO団体にとって救世主
-里親の元で子どもたちが不自由なく育てる環境を広げたい-

  • 2023/02/06
 

寄付者と受益者のデータ一元管理で、届けたい人に必要な情報提供が可能に

【組織プロフィール】 nihonkodomoshien_HP(7162)
組織名
特定非営利活動法人
日本こども支援協会
代表者 代表理事 岩朝 しのぶ 氏
所在地 大阪府大阪市中央区
設立 2010年5月
URL https://npojcsa.com
https://one-love.jp 

【事業内容】

私たちは「日本こども支援協会」というNPO法人です。
私達の団体の考え方は、「暴力や貧困ではなく、愛のバトンを次世代に」をビジョンとしています。虐待などを背景に実の親と離れて暮らすこどもが42,000人ほど。そこを支援するのが里親の方々なのですが、実態として苦しい状況でこどもと向き合っています。
私達の団体は里親に必要な支援を提供している日本で唯一の里親支援のネットワークです。

活動内容は大きく3つあります。
1つは支援の仕組みがあることを里親に伝えて、里親の母数を増やしていく活動。
2つ目は支援内容を強化して、里親への支援を充実させていく活動。
3つめは里親に必要な寄付や寄付者を増やしていく活動です。

私達の活動の価値は虐待の連鎖を止めていくことです。悲しいデータとして虐待を受けたこどもが大人になったときに再び自分の子に虐待してしまうという実態があります。こうした現実に対して、里親の元で子どもたちが不自由なく育つことによって、里親の方の愛情で負の連鎖を上書きすることができます。再発しないように里親さんを支援しているのですが、里親さんが1年で25%もギブアップしてしまうという厳しい現実があります。私達の団体は、活動を通じてその数字を減らしたいと思っています。(北村様)  

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特定非営利活動法人 日本こども支援協会 事務局長 北村政記 氏
●当協会で里親支援に従事する傍らkintoneを軸にしたコンサルティング会社(社名:奏ワークス株式会社)を立ち上げ
NPO業界のデジタル化の普及・ITを活用できる人材の育成にも注力。
 


ATTAZoo+ 導入前の課題

・寄付者と受益者が別々の管理
・寄付者の寄付回数や金額の抽出に苦慮
・kintoneアプリへの多重入力


ATTAZoo 導入後の効果

・「関連レコード集計」の機能で寄付回数や総額が即座にわかるようになった
・顧客層別管理ができるようになり、必要な情報を必要な人へ届けることが可能に
・丁寧なコミュニケーションができた結果、寄付者の増加につながっている



NPO法人には「寄付者」と「受益者」を管理する仕組みが必要

ーNPO法人としての活動と問題点を教えていただけますか?

(北村様)私がNPO法人に所属してから、ITを活用して生産性を高める体制を構築したいと常々考えていました。 これはNPO全部に共通する課題でもありますが、人や予算が非常に限られるNPOこそ、生産性を高める体制を作らないと広がっていかないと思っています。
通常の企業であればサービスを提供する人とお金を払う人が同一なので、同じ対象に向けた活動ができます。 しかしNPOはサービスを受ける人とお金を出す人が全く別になるので、異なる管理や活動をしなければなりません。
例えばホームレスの人に炊き出しでカレーを提供するというボランティア活動の場合、カレー代を提供する支援者とカレーを食べるホームレスは別で、 それぞれに対して募金を集めたり、実施の告知をしたりといった活動が必要になります。

このように寄付者と受益者をそれぞれ管理する仕組みが必要になるのですが、NPO法人は従業員が限られているのがほとんどで、当協会の場合でも3名で管理することが求められます。例えば里親の方の個人情報を取得して、その人にメールで情報を通知することなどを行っていますが、それを実現するのにシステムが必要になります。
以前はNPO法人向けのライセンスが用意されていたこともあって、「salesforce」を活用して寄付者の管理をしていました。また、寄付を募集するためにNPO法人向けの寄付のカート機能である「コングラント」を利用しています。以前の仕組みでは、寄付者の個人情報管理と寄付者に対してのメール配信などをsalesforceで行っていたのですが、寄付のカート機能であるコングラント※との情報連携が必要になります。しかし、コングラントの決済情報を一括でインポートできないのがsalesforceのデメリットでした。

そこを連携しようとすると、salesforceの場合は追加投資をしなければならなかったのでハードルが高くて困っていたところに、サイボウズ社の「kintone」というものが有ることを知り、導入を検討することになりました。

※コングラントとはコングラント株式会社が提供するNPO法人や社会的企業、任意団体等、非営利活動に取り組むすべての団体の寄付募集・管理を応援するファンドレイジングツールです。

NPO法人向け「kintone」を導入

しかしデータの構造に課題も

ーkintone導入までの経緯と導入後の課題を教えてください

(北村様)NPO向けkintoneが年額9,900円、900ユーザーというラインセンスが提供されていることを知り、 比較的大手のNPOでもkintoneが使われていたのを事例で見てkintoneの導入を決めました。
NPO業界全体だとsalesforceの方が先行していた分シェアが大きくて、主に寄付者の管理に使っているところが多いと思います。 しかし色々と話を聞くと、当協会と同じく使いこなせてないところが多いようです。要因としてはsalesforceのメニューや用語などが法人ビジネス向けの仕立てになっていて、個人向けの利用が多いNPO法人とマッチしないことが挙げられます。また、価格も高いので、追加でなにかしようとすると追加投資になり、断念することもありました。 予算と人員が限られるNPO法人では、使いこなしているところは少ないと感じています。

その点、kintoneでは作成した「アプリ」単位で情報を管理できるため、自由度が高く自分たちでカスタマイズでき、使い勝手が良いと思っています。ただ、kintoneのデータ構造に課題があって、運用でカバーしている状況でした。例えば誰がいくら、何回寄付したのかを知るために、寄付者のアプリと、決済のアプリを情報連携させる必要がありました。また、マスタの管理・運用が上手く出来ておらず、共通のIDを全ての関連アプリに紐付けられていない、その結果、個人に対する活動内容が一元管理できていないという課題がありました。

顧客情報の一元管理を目指して

ATTAZoo+で受益者、寄付者のニーズにあった情報提供が可能に

ーATTAZoo+ を知った経緯と導入した効果を教えてもらえますか?

(北村様)ペパコミさんのYoutube「kintoneちゃんねる」を見て、プラグインの存在と「ATTAZoo+」のことを知りました。 特に関連レコード一覧の集計がやりたかったので、「これだ」と思いました。
主に「寄付者」のアプリと「寄付金額」のアプリを紐づけて、累計の寄付回数、寄付金額を抽出することがやりたかったのです。

ATTAZoo+の「関連レコード集計」
を使うことによって、人のアプリに何回寄付した、総額がいくらだったかが即座にわかるようになりました。
kintoneの標準機能の範囲だと初めて寄付してくれた日がいつなのか、これまでに何回寄付をしてくれたのか、ということを抽出するのにとても手間がかかったのですが、ATTAZoo+を導入することによって集計回数を簡単に抽出することができるようになりました。

一番の収穫はこうしたアプリ間の連携が実現することで分析の幅が広がって、個々の寄付者や受益者の方それぞれのニーズに合った情報提供ができる様になったことだと思います。 例えば、寄付者にメールを送る際にこれまでの寄付履歴や添えていただいた思いに言及してお礼をお伝えする、寄付が一回で終わってしまっている人には個別にお願いをしていく等、属性ごとにカスタマイズしたコミュニケーションが容易にできるようになりました。
寄付者の人と丁寧なコミュニケーションが取れるようになったことによって、 リピート寄付をして下さる方や単発寄付から継続寄付に切替えして下さる方の人数が増えていて、 全継続寄付者の約2割が単発寄付から継続寄付に切替えていただいている方で構成されています。 また、毎年寄付者向けのアニュアルレポートを出しているのですが、昨年と比較して倍以上に増えているので、 活動の価値を理解して寄付して頂ける方が増えたと思います。

もちろん全てがATTAZoo+だけの効果ではないのですが、すぐにお礼を言える、こまめに報告が作れる、といったコミュニケーションがkintoneとATTAZoo+で実現できていることが大きいと感じています。
これはビジネスでも同じだと思いますが、新規顧客の獲得と既存顧客からの獲得金額が5:1という構造があると思いますが、寄付も同じ構造か、それ以上に顕著に現れます。特に寄付の場合、新規の獲得はなかなか再現性がないのです。そのため、既存の寄付をしてくれる人に対してきちんとお礼をする、活動報告をすることがとても重要で、それで支援者が増やせているのではないかと感じています。こうした運用を少ない人員でもできるのがkintoneとATTAZoo+の効果だと思います。


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これからの活動

kintoneとATTAZoo+はNPO団体にとって救世主 もっともっと利用の輪を広げたい

ー今後の展望とJBATに対する要望があれば教えてください

(北村様)これからの取組みとして、 私達協会のデジタル化事例をどうやって他のNPO法人に横展開できるのかについて考えています。今の課題はとにかくNPO業界にはデジタルを活用できる人材が少ないということです。 各IT企業がNPO向けに特別価格でサービス提供して下さっているにも関わらず、使いこなせていない状況に危機感を抱いています。
私個人の話にはなりますが、当協会とは別にkintoneを軸にしたコンサルティング会社(社名:奏ワークス株式会社)を立ち上げました。 その活動の中でkintoneやITを活用できるデジタル人材をもっと多く増やしていきたいと考えていますが、そこで経験を得た人でNPOに軸を置く人はNPOに所属してもらい、民間の方に進みたい人はそちらに、といったように、デジタルに関わる人材を増やしていきたいと考えています。

JBATさんやIT企業への期待としては、各社ともYoutubeなどで事例の動画を配信してくれていますが、そういうコンテンツを増やしてもらうことで、他のNPO法人に「やればできる」ということを知ってもらえるため、もっともっと利用が促進されていくと思っています。

もう少し具体的なところでは、NPO法人でsalesforceを使っていて、寄付者の管理だけで運用できるところはそのまま使い続けて貰えればいいと思っています。一方、寄付者だけではなくて受益者の管理をExcelで行っているようなところは、双方の情報を容易に関連付けられるkintoneとATTAZoo+の方が向いているので、当協会の事例を広げていきたいと考えています。 こうした様々なデータを一元管理する文化がまだNPOに根付いていないことが課題だと思っています。

また、NPO法人では、スタッフにボランティアで協力してくれている人が多数存在します。そうした方を含め、NPO法人こそワンチームで組織運営することが必要不可欠だと感じています。ボランティアの方にもkintoneを使いこなして業務を円滑に進めることが実現できれば、もっともっと活動が広がると思っています。
特にkintoneはNPO法人向けの特別ライセンスが用意されていて、最大900名まで利用できるので、ボランティアとのコミュニケーションが必要なNPO法人はkintoneがうってつけだと思います。
さらにATTAZoo+のようなプラグインを活用することで、kintoneが苦手としているデータの集計や管理がやりやすくなるので、kintoneとATTAZoo+はNPO団体にとって救世主だと思っています。ATTAZoo+はモバイル機能がエントリーライセンスでは使えないので、NPO法人向けにモバイル利用可能なライセンス提供とかを検討してもらえるととても助かりますね。スマホしか情報端末がない、というボランティアの方も多数いらっしゃるので。

編集後記

NPO法人のお客様の話を伺うのは初めてだったのですが、「虐待を受けた子供が親になるとまた虐待を繰り返してしまう」という話や、里親の方の1/4がギブアップしてしまうという過酷な実態を知り、少しでも当社で支援できないかと強く思いました。活動資金が限られる中で、 多くのボランティアで成り立っているという現実がある中、 この輪が広がるように具体的な支援策を検討していきたいと思います!


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