近年、DX(デジタルトランスフォーメーションの重要性が高まっており、DX化を推進する企業も増えています。しかし、その一方で問題となっているのが「DX人材の不足」です。
DX人材はこれからの企業成長を担う重要な役割を担いますが、DXの範囲は広いため、DX人材の役割や求められるスキルなどもさまざまです。
そこで今回は、DX人材の定義や役割、DX推進の役割を担う職種、DX人材に必要な能力やスキル、DX化の実現に欠かせない施策などについてご紹介します。
「DX化のためには何をすべきで、そのためにはどんな人材が必要なのか」を知る一助にしてください。
- 目次
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- DX人材の定義や役割とは?
- DX推進の役割を担う職種7つ
- プロダクトマネージャー
- ビジネスデザイナー
- テックリード
- データサイエンティスト
- 技術エンジニア
- UI・UXデザイナー
- プログラマ
- DX人材に必要な能力・スキル5選!
- ビジネス戦略能力
- デジタル理解・活用能力
- ファシリテーション能力
- データサイエンティストスキル
- プロジェクトマネージメント力
- DX人材に必要なマインドセット3選!
- 周囲を巻き込む力
- 課題を発見する力
- 知的探求心
- DXを実現するために必要な施策
- DX人材確保
- ヒト・モノ・カネの経営資源を活用
- まとめ
DX人材の定義や役割とは?
DX人材について解説する前に、まずはDXについてお話しします。
DXとは「IT技術を使って仕事や日常生活をより良くしていく」という考え方であり、「デジタルによる変革」とも言われています。
例えば、携帯電話からスマートフォンへの進化も、家電がAI化したことも、現金払いからキャッシュレス決済になったこともDXの一部です。
世界的にDX推進は重要な施策となっていますが、様々な調査から日本はDXの波に乗り遅れていると言われています。
グローバル社会になり、今後は海外企業との争いは熾烈を極めるでしょう。
そのような状況で国内企業が生き残るためには、企業のDX化とDX人材の獲得・育成は急務と言えるのです。
そうした状況を踏まえた上で、DX人材の定義や役割について解説します。
経済産業省が定めるDX推進のための体制整備によると、DX人材の定義は以下のとおりです。
・デジタル技術やデータ活用に精通している人材
・デジタルでできることを理解した上で、DXの取り組みをリード・実行できる人材
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つまりDX人材とは、デジタル技術やデータ活用について知識が深い人材と、
実際にDX推進をリード・実行する人材の大きく2つに分けることができます。
ここで注意すべきなのが、DX人材が単純にデジタルに強い人材というわけではないということです。
「デジタルに精通し、その知識を持って事業に変革をもたらすことのできる人材」がDX人材なので、業務推進や事業開発などを担う職種であっても、デジタルを用いて変革できるならそれはDX人材です。
一例として、DX人材を企業の役割に当てはめるとプロダクトマネージャーやビジネスデザイナー、データサイエンティスト、エンジニア、プログラマなどが挙げられます。これらの役割はDX推進以前にもありますが、
重要なのは「ビジネスサイドのことも、テクノロジーサイドのことも両方を知っておくべき」ということです。
これまでは、一方がビジネスサイドのことを考えて動き、もう一方がテクノロジーサイドのことを考えて動くというように人材によって住み分けがされていたでしょう。しかしDX推進を軸にするなら、例えばシステム開発を担当するエンジニアも、IT技術だけでなくビジネスについての知見を広げなくてはなりません。
どちらも深く知ることが「デジタルを中心にしたビジネス」の基盤を作り、その後何年も稼働する企業のシステムを構築することにつながるのです。
DXについてはこちらの記事で詳しく解説しております。
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APIはDX成功のカギ!DX実現のポイントとAPI×DX事例
DX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されていますが、なぜ推進されているのか、実現のために必要な要素とは何かご存じですか?本記事では、DX実現に必要な4つの要素やDX成功のカギを握るAPIについてご紹介します。ぜひ、ご覧ください。
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DX推進の役割を担う職種7つ
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、企業においてDX推進を担う人材の種類として、7つの職種を定義しています。
こちらでは、それぞれの職種の担う役割について詳しくご紹介します。
プロダクトマネージャー
プロダクトマネージャーは、「DXやデジタルビジネスの実現に向けた取り組みを主導するリーダー的存在」です。
デジタル技術を理解し扱う能力はもちろん、自社の目指すべき理想像や今後の展望を理解する力も必要になります。
そのため、ロイヤリティが高く、課題設定力や行動力、調整力などがある管理職クラスの人材や、事業部を牽引する優秀な人材が任命されるケースが多いです。
ビジネスデザイナー
ビジネスデザイナーは、「DXやデジタルビジネスの企画立案・推進を担う人材」です。
プロダクトマネージャーのもと施策を実行するため技術力はもちろん、ビジネスへの理解力が高くなければ務まりません。
また、新しいビジネスモデルを生み出す発想力と、円滑に計画を進めるためのファシリテーション能力も必要でしょう。
テックリード
テックリードは
「DXやデジタルビジネスに関するシステムの設計?実装までを行う人材」です。
加えて、要件定義や仕様策定といったSE領域の業務、ソリューションの提案まで行います。
似たような職種に、エンジニアリングマネージャーやアーキテクトがあります。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、「DXやデジタル技術、事業などに精通しており、データの解析・分析ができる人材」です。
AIやloTなどのデジタル技術をビジネスに活用するためには、膨大なビックデータを探る必要があり、
そのためには統計学の知識・経験があり、プログラミングスキルを有するデータサイエンティストが欠かせません。
技術エンジニア
技術エンジニアは、
「AI(機械学習)やブロックチェーンなどの先進的なデジタル技術を担う人材」です。
日々、IT技術のアップデートは進んでおり、DX化を進める上で技術エンジニアは欠かせない存在といえます。
しかし、多くの企業で先進的なデジタル技術に詳しい人材の育成が滞っているという現状があります。
UI・UXデザイナー
UI・UXデザイナーは、「ユーザー向けのシステムデザインを担当する人材」です。
どんなに優れたシステムを構築しても、ユーザーにとって親切な設計でなければ日常的に使われることはなく、
またDXにはつながりません。ユーザー体験の向上とDX推進のためにも、使う側の視点に立ってシステムのデザインが行えるUI・UXデザイナーは必要不可欠です。
プログラマ
Uプログラマは、「システムの実装やインフラ構築、保守などを行う人材」です。
テックリードが設計した仕様に基づきプログラミングを行う他、コーディングやテスト、その後の保守まで担当します。
DXにおいても、さまざまなシステムに詳しく、開発から保守まで行うプログラマは重要な役割を果たします。
そのため、社内にリソースが足りない、または最適な人材がいないという場合は、外部リソースも含めて確保する必要があります。
DX人材に必要な能力・スキル5選!
こちらでは、DX人材に必要な能力・スキルについてご紹介します。
ビジネス戦略能力
デジタルの変革などにより、ビジネス環境は日々変化しています。
DXに対応し、競合他社に勝つためには、企業にとって何が必要なのか、どんな目標を立てるべきなのか、
それに向かってどう動くべきなのかというシナリオを設計するビジネス戦略能力は重要です。
デジタル理解・活用能力
デジタル技術は常にアップデートされるため、何度も繰り返し手を入れて常に新しいものへと変化させることが大切です。
そのため、先端技術についていち早くトレンドをキャッチし、それを自社のビジネスや既存システムにどう取り入れていくかを考え実行する能力は必須といえるでしょう。
ファシリテーション能力
ファシリテーション能力とは、「会議やミーティング、プロジェクトなどを円滑に進める技法」のことです。
例えば、会話の論点をまとめて意見をまとめたり、参加者のモチベーションを高めて発言を促したり、アイデアが出しやすくなるように雰囲気の良い環境づくりを行ったりと、有意義な時間を過ごせるようにさまざまな配慮を行います。DX推進を担うリーダー格の方には備わっているべきスキルといえるでしょう。
データサイエンティストスキル
IoTデバイスによってデータを収集し、AIを使って解析する、こうした流れは今後の製品・サービスを生み出す上で
欠かせない仕組みとなります。そのため、どのデータをどう活用するのかを常に考えて、
データによって新しい価値を生み出すデータサイエンスの知見は必要不可欠です。
プロジェクトマネージメント力
DX化を実現するためには、自社のビジネス課題を常に把握し、改善するための施策を検討することが大切です。
DX実現までの道のりは険しく、一朝一夕ではいきません。変化が多く、その都度業務の調整を行うこともあるため、
自分やチームの業務内容に関してマネジメントできる能力が欠かせないのです。
DX人材に必要なマインドセット3選!
DX人材には能力やスキル以外にも、どのような意識・姿勢でDX推進に取り組むかといったマインドが大切です。
こちらでは、DX人材に必要な3つのマインドセット*についてご紹介します。
*マインドセットとは、人が持つそれぞれの「無意識の思考・行動パターン」のことを指します。
周囲を巻き込む力
DX化を成功させるには、一部の人間だけでなく、全社で取り組むことが重要です。
部門間や社員間のモチベーションの差をできるだけなくし、取り組もうとしていることに対しての認識を揃えることが必要です。
一人一人が他人事ではなく、真剣に取り組むことで、DX化はより価値を発揮します。
課題を発見する力
DX人材は、「顧客にとって一番良いこと」を1から考え、現在ある課題を発見していきます。
「今のままで本当に良いのか」「他に方法はないか」、振り返って考えます。
発見した課題を明確にしたら、何が原因なのかを分析し、仮説検証を行い、どのように解決していくべきか
DX化への道筋を立てていきます。
知的探求心
デジタル技術は進歩がとても早いものです。
常に世の中にアンテナを張り、さまざまな情報を収集する探究心が求められます。 色々な情報をかけ合わせることによって新しい発想や技術が生まれるかもしれません。
社内に限らず、他社や他業界の意見にも耳を傾け、積極的に情報を収集する姿勢が大切です。
DXを実現するために必要な施策
DXを実現するためには、以下の2つの施策を講じる必要があります。
DX人材確保
まず重要なのは「DX人材の確保」です。社内にいる人材を育成するのか、
新たに採用するのか、企業によって取るべき行動は変わるでしょうが、どちらにせよDX人材の確保は一筋縄ではいかないでしょう。
現在はアウトソーシングのようなジョブのマイクロ化が進んでいるため、DXに必要なこと全てに精通した人材を探しても見つかる可能性はほぼゼロです。そのため、DX人材に必要な能力やスキル、経験を持っているかを見える化し、人材の育成・雇用を細かく分けて行いましょう。
ヒト・モノ・カネの経営資源を活用
企業の持つ経営資源を活用することも重要です。例えば、APIやクラウドといった外部システムを活用したり、
逆にこちらが開発したソフトウェアやシステムのAPIを公開したりと、
自社だけでなく社外のDX化にも貢献すれば社会に良い影響を与えられるでしょう。
まとめ
DX人材は、社内のDX化を進める上で重要なキーマンとなります。
DX化には何が必要で、現状では何が足りないのかを考えながら、それを埋めるためにDX人材を確保していくことが大切です。
DX人材を確保するには、社内の人材を1から育成するか、新たに雇用しなければならないため、社内リソースなどをきちんと把握した上で、自社にとって適切な手を講じていきましょう。
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