近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)や業務改善、働き方改革を推進するテクノロジーとして「RPA」が注目されています。
積極的にRPAの導入を進める企業も増えている中で、なぜ注目されているのか、どんなことに役立つのかなど、RPAについてわからないという方もいるでしょう。
今回は、RPAの概要と注目されている理由、導入のメリット・デメリット、RPAツールを選ぶ際のポイントなどをご紹介します。
- 目次
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- RPAとは
- RPAが注目されている背景
- 人材不足
- 働き方改革
- RPA導入のメリット
- コスト削減
- 生産性向上
- RPA導入のデメリット
- 運用までの準備に時間がかかる
- 修正に手間がかかる
- 属人化してしまう
- RPA導入時の注意点
- テスト導入
- RPA担当の育成
- 野良ロボット対策
- RPAツールを選定するときのポイント
- ツールの提供機能
- 導入実績
- コスト
- RPAのデメリットを解決する方法
- まとめ
RPAとは
RPAとは「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の略語。
ホワイトカラーと呼ばれるオフィスでのデスクワークを、パソコンやクラウド上で動くソフトウェアロボットによって自動化・代行する取り組みを指す言葉です。
「仮想知的労働者」という意味から「デジタルレイバー」や「デジタルワーカー」などとも呼ばれます。
RPAにより自動化できる作業は、手順やルールが決まっている定型の事務作業や単純作業です。
データ入力、コピー&ペースト、交通費などの精算チェック、作業の指示書作成、日報のチェックなど、あらゆる部門の業務に対応できるため
DXや働き方改革を進める企業から関心が高まっています。
RPAが注目されている背景
RPAは、日本社会や企業の抱える課題を解決する手段のひとつとして注目されています。
人材不足
超高齢化社会を控える日本は、労働人口の減少により深刻な人材不足に陥っています。
現在仕事がない方の就業支援をしたり、外国人労働者を受け入れたりといったことをしても、人材不足を補うには不充分です。
そんな中、注目されているのがRPAです。
すでに多くの現場にRPAは拡大しており、人材不足を解消する手段としてITやロボットの導入が進んでいます。
働き方改革
RPAにより日々の反復業務が減れば、従業員はより重要な業務に注力できるため
従業員の満足度やエンゲージメント、業務効率化、生産性の向上につながります。
また、RPAは既存システムを活かしつつDXを加速させる手段にもなります。
DXや働き方改革は、どちらも政府が推奨している施策です。
少ない労働力で現場の生産性を改善できるRPAは企業にとって無視できないものとなっているのです。
RPA導入のメリット
こちらでは、RPA導入におけるメリットをご紹介します。
コスト削減
RPAにより業務効率が改善すれば残業などが減り、従業員満足度が向上することで離職率が低下します。
これにより、残業代や採用・教育にかかる費用などの人的コストを削減できます。
生産性向上
RPAにより定型作業や単純作業を自動化すれば、人が行っていたときのようなミスは起こらなくなります。
また、RPAは24時間365日繰り返しの業務を行っても、その正確性はなくなりません。
常に高い精度で業務を進められるため、生産性向上につながります。
空いた時間をクリエイティブな業務に割り当てられる
RPAを導入することで、これまで人が行っていた単純作業をロボットに任せられるようになります。
その空いた時間を人間にしかできないクリエイティブな仕事に割り当てることで、業務の改善を加速させることが出来るようになります
RPA導入のデメリット
こちらでは、RPA導入におけるデメリットをご紹介します。
運用までの準備に時間がかかる
RPAの経験者が少ない場合、知識の習得までに時間がかかります。
またどのようなツールを導入すれば良いのかなどにも迷いやすいため、RPA導入を検討してから実際に運用するまでに時間がかかります。
課題解決までの対応が後手に回るため、導入のハードルが高いと二の足を踏む企業も少なくありません。
修正に手間がかかる
RPAは指示どおりに作業を行いますが、想定外のトラブルが発生したときには対応ができません。
その場合、RPA担当者がトラブルの原因を特定し適宜修正しなくてはなりませんが
担当者の知識が不充分だと問題の特定や修正に時間がかかります。RPAの専門家を配置して工数を削減するという手もありますが
IT人材の不足からすぐに見つからない可能性もあることを考慮しましょう
属人化してしまう
RPAにより業務を自動化しても、
その理解が担当者だけにとどまると業務の属人化を招きます。また、担当者が異動・退職になった際、情報共有や引き継ぎがきちんと行われなければ
業務変更やシステムの更新があったときに適切な対応ができません。
導入すれば終わりではなく、担当者が誰になっても問題なく稼働できるようにしなくてはなりません。
どんな業務にも対応できるわけではない
RPAは個別の判断が入らない単純な作業を自動化するためのものです。
そのため、どの業務にでも対応できるわけではありません。
適合するものを見極めて、人が対応するものと使い分けるようにしましょう。
RPA導入時の注意点
RPAを導入する際は、下記のポイントに留意しましょう。
テスト導入
どの部門や業務にRPAを導入するのかを考えた上で、テスト導入を実施しましょう。
「RPAで自動化しやすかったのはどの業務か」「想定どおりに自動化できたか」など
どのような効果が得られたかを見極めることで、その後の方向性が決定しやすくなります。
テスト導入によって効果が得られなかった場合は、自動化する業務やソフトウェアロボットに任せる範囲を見直し
再度テスト導入と検証を行います。PDCAサイクルを回し、RPAを導入する部門や業務を徐々に拡大しましょう。
RPA担当の育成
ソフトウェアロボットが稼働すると、RPAのメンテナンスは現場に偏ってしまうことが予想されます。
RPA業務が属人化しないように、また社外のITベンダーに対応が依存しないように、社内でRPA人材を育成することが大切です。
野良ロボット対策
野良ロボットとは、管理者のいないRPAソフトウェアロボットです。「テスト導入で作られたロボットが放置されてしまった」
「担当者の異動や退職などで動作内容が把握できなくなった」など、野良ロボットが増える原因はさまざま。
野良ロボットが放置されたままだと、トラブルなどによってロボットが停止するまで処理が続けられてしまいます。
結果としてシステムに多大な負荷がかかったり、情報漏えいにつながるリスクが高まったりと、企業にとってマイナスになるため、野良ロボット対策は必要不可欠といえます。
RPAツールを選定するときのポイント
こちらでは、RPAツールを選定するときのポイントをご紹介します。
ツールの提供機能
RPAツールの提供機能を確認しましょう。RPAは製品によって機能が異なるため、自社に適したものを選ぶ必要があります。
例えば、紙媒体のデータ化のためにAIの画像解析技術が必要になる場合、AIとの連携が可能なRPAツールを選ぶ必要があるでしょう。
また、社内外のシステムと連携するためにAPIを利用している場合は、APIと連携できるRPAツールを選ぶほうが良いかもしれません。
最適なツールは自社の目的によってさまざまです。各ツールの特徴を把握した上で、自社システムと相性の良いものを選びましょう。
導入実績
RPAツールを選ぶ際は、導入実績を確認することも大切です。
RPAはまだ成長の余地があるサービスなので機能拡張なども精力的に行われていますが、ある日突然サービスが終了する可能性もゼロではありません。
導入実績などから企業の継続性を判断し、リスクが少ないほうを選びましょう。
コスト
RPAツールを導入する際は、コストについても考えましょう。
初期費用はいくらか、ロボット開発による将来的なトータルコストはいくらになりそうか、などを踏まえた上で
コストが過剰にならないように気を配ることが重要です。
なお、RPAのコスト体系は製品によってさまざまなので、事前に比較検討しましょう。
RPAのデメリットを解決する方法
RPA導入にはメリットもありますが、中には属人化やブラックボックス化が結局解消されないというようなデメリットを感じる方もいるのではないでしょうか。
RPAの利用はシステムとシステムの間で起こる手作業の自動化に使われるケースが多いため
そのようなケースでは、個別開発が不要なデータ自動連携ツールを利用するのもひとつの手です。
データ自動連携ツールなら高度なプログラム知識がなくても扱えるため、何らかのトラブルが起きても修正・変更がすぐにできますし
属人化に陥るリスクも少なくなります。もちろん自動で運用できるため、ヒューマンエラーが起きる心配もほとんどありません。
そもそも企業によっては、「RPAツール以外でも課題にアプローチできた」というケースもあります。
デメリットがあるからこそ、RPAツールである必要はあるのかを考えることが大切です。
まずはしっかりと課題を洗い出しましょう。
まとめ
RPAはDXや働き方改革にプラスに働くツールとして注目されていますが
その一方で「運用準備に時間がかかる」「修正に手間がかかる」「属人化のリスクがある」などのデメリットもあります。
課題へのアプローチにRPAツールが適しているか、他に有効なツールはないのかを考えた上で企業にとって最適な選択を行いましょう。
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また、自動化により担当者の作業負担を軽減できる他、業務の属人化も解消します。
DXや働き改革を目指す企業にとくにおすすめなので、ぜひQanat 2.0の利用をご検討ください。