高齢化社会により労働人口の減少が叫ばれる昨今では、生産労働力の不足を解消するために
多くの企業が業務の自動化(以下、業務自動化)に乗り出しています。
実際にRPAやETLといった業務自動化のためのツールが開発されていますが
「導入に失敗しないためにはどのツールを選べば良いの?」「そもそも業務自動化をするメリットは何?」
などと悩む声も少なくはありません。
そこで今回は、業務自動化の概要、必要とされる理由、業務自動化のメリットや方法、導入のポイントなどについて解説します。
- 目次
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- 業務自動化とは
- 業務自動化が必要とされる背景
- 働き手不足
- 働き方改革
- 業務自動化によるメリット
- コスト削減
- 時間短縮
- 業務の属人化・ミスを防ぐ
- 業務自動化をする方法
- マクロ
- RPA
- ETL
- 個別開発
- 業務自動化をするときのポイント
- 業務の棚卸
- 自動化対象範囲の決定
- ツールの選定
- ペーパーレス化
- 業務自動化のシステム導入事例
- オザックス株式会社様
- まとめ
業務自動化とは
業務自動化とは、
「人が行っている単純な業務・作業をシステムやツール、デバイス、ロボットに任せること(システム化すること)」です。
アナログ作業を自動化し、重要な決定のみを人が担うことで、従業員の貴重なリソースをコア業務に多く割けるようになります。
これにより業務効率化や生産性向上が実現できるため、
業務自動化は企業成長の要ともいえる施策といえるでしょう。
自動化できる業務はさまざまで、例えば、事務作業のように作業手順などが決まっている単純な定型業務は自動化に移行しやすいです。
実際に業界・業種を問わず事務作業のシステム化が進んでいます。
業務自動化が必要とされる背景
こちらでは、業務自動化が注目される理由について解説します。
働き手不足
冒頭でも述べたように、日本は高齢化社会の到来により生産労働力となる働き手が不足しており
これが業務自動化への注目を集める要因となっています。
日本では1990年代ごろをピークに生産年齢人口が減少しており
このままだと2060年には日本国民の2.5人に1人は65歳以上になるだろうと予想されています。
希少な経営資源である働き手の不足は、企業はもちろん国としても大きな課題です。
デジタルレイバー(仮想知的労働者)によって働き手不足を補えば、労働力や賃金などの底上げにつながる他
人はより付加価値を生み出す重要な業務に注力できるようになるでしょう。
働き方改革
政府によって提唱されている働き方改革は、大企業も中小企業も取り組むべき課題です。
時代の変化によって働く人のニーズは日々多様化しています。
家庭の事情や身体的な要因からフルタイムで働けない方もいるでしょうが、これまでのような企業経営では人材を充分に確保することは難しいでしょう。
デジタルレイバーは24時間365日働き続けられますし、ヒューマンエラーのような抜け・漏れなどのミスは起こりません。
業務の効率化や業務時間の削減ができるため、結果として多様な働き方を提案できるダイバーシティ経営を実現できます。
さらに、アナログ業務のシステム化はDX(デジタルトランスフォーメーション)化の推進にも役立つため
業務自動化はこれからの企業経営に必要不可欠といえるのです。
業務自動化によるメリット
こちらでは、業務自動化によって得られるメリットを3つご紹介します。
コスト削減
業務自動化により、人件費を削減できます。
例えば、これまでは10人体制で取り組んでいた作業の半分を自動化し、5人でも回せるようにすると、単純に5人分の人件費を削減できます。
またデジタルレイバーには給与や残業代、休日出勤手当なども必要ないため、人件費削減に大きく貢献してくれるでしょう。
自動化によって空いた人の工数は、よりクリエイティブな作業に割り当てることで、会社の成長につなげることができます。
時間短縮
業務自動化によって時間的リソースを確保することも可能です。
手間のかかる作業はどうしても多大な時間がかかりますし、それが毎日となると時間的リソースはほぼ削られてしまうでしょう。
しかし、
面倒で手間のかかる作業を自動化すれば、業務にかかる時間を短縮できます。その分、重要な業務にしっかりと取り組めるようになるため、生産性向上によって企業力を高められるはずです。
業務の属人化・ミスを防ぐ
業務自動化は、業務の属人化・ミスを防ぐ役割も果たせます。
企業規模に関係なく多くの企業にいえることですが、特定の従業員に依存した業務の進め方をしているケースは往々にしてあるでしょう。
しかし、業務の属人化は担当者の異動や転勤、転職、辞職などの際に大きなミスやトラブルにつながることがあります。
業務自動化を実現し、誰でも業務内容を把握できるようにすれば、属人化を防ぎ、さらにその先のミスやトラブルにもすぐに対処できるようになります。
業務自動化をする方法
こちらでは、業務自動化を実現するための方法として、「マクロ」「RPA」「ETL」「個別開発」の4つをご紹介します。
マクロ
マクロは、オフィスワークで活用するさまざまなアプリケーション(Microsoft Office、Adobe、Googleのドキュメント・スプレッドシート)
でよく使われる操作を、必要に応じて実行できるようにする機能です。
とくにExcelで使用されるケースが多いため、「マクロ=エクセル操作を自動で行う機能」という意味で使われることもあります。
マクロは業務自動化の他、アプリケーション同士の連携も可能です。ただし、Office製品以外は連携が難しいため
Office製品以外のアプリケーションを連携して使用する場合はおすすめできません。
RPA
RPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)とは
手順やルールが決まっている定型業務をソフトウェアロボットによって自動化する取り組みのことです。
パソコン上で行われる動作(シナリオ)を設定することで業務自動化を行います。
複数のシステムやツールを横断して作業をしたり、大量のデータをミスなく処理したりできますが
RPAの開発や設定、運用する人材が必要になります。
人材が確保できても属人化する恐れもあるため、導入の際はメリットだけでなく
デメリット(課題)にも注目して検討することが大切です。
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ETL
ETLは、デジタルデータの「抽出(Extract)」「変換(Transform)」「書き出し(Load)」までの一連の流れを指した言葉。
システムの数だけバラバラに保管されたデータを、データ形式や文字コードなどを整えて一か所に集約・保管します。
APIツールやBIツールなど、さまざまなシステムと連携ができるため、必要なデータを、必要なときに活用することが可能です。
例えば経費精算システムから抽出したデータを会計システムに渡したい、基幹システムに登録する別システムのデータが沢山あって困っている、等の悩みに最適なツールです。こちらもRPAと同様、簡便化されてはいますが最低限の定義を設計する人材が必要となります。
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個別開発
業務自動化を実現するシステムを、自社で開発するという手もあります。
企業によっては自社でシステム開発を行っているというケースもありますし、実際にAPIを公開している
または公開されたAPIを自社のシステム開発に役立てているという企業も少なくありません。
ただし、個別開発はコストがかかり、開発期間も長引く傾向があります。
何より自社内ではなく外注して個別開発を行う場合は、その部分自体がブラックボックス化してしまい、外注先にしかわからないというケースが頻発しています。
システム完成後に自由に仕組みを変更することも難しいため、業務に合わせて設定変更を行いたいなど
ある程度の自由度を求めるならRPAやETLの活用がおすすめです。
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業務自動化をする時のポイント
こちらでは、業務自動化を進める上で押さえておきたいポイントについて解説します。
業務の棚卸
自動化したほうが良い業務なのかを見極めるためには、
業務内容をきちんと洗い出し、整理・把握することが大切です。業務によっては実際の工程とマニュアルに多少違いがあるケースもありますし
業務変更後にマニュアルが刷新されていないというケースもあるかもしれません。
そもそもマニュアルが作られていないというケースもあるでしょう。
業務内容に加えて、作業時間やコストに関してもマニュアル化しておけば、自動化する業務を決定する際に役立ちます。
自動化対象範囲の決定
既存の業務内容から、自動化できるものがないかを探しましょう。
自動化する業務の対象範囲を検討する際は、「人員負担が大きく、時間やコストがかかっているもの」を優先して洗い出します。
さらにその中から、人による判断を行う必要がないもの、システムに任せても業務が滞りなく進められるものを選びます。
例えば、定型文書の作成・複製・保管、データ入力・集計、経費・給与の計算、メール送信などの単純で数が多い定型業務は、自動化におすすめです。
ただし、全ての定型業務を一気に自動化すると導入コストとマンパワーがかかるため、導入効果が見込めるものから優先順位を決めてください。
ツールの選定
業務自動化に役立つツールはさまざまです。ツールによっては向き不向きがあるため
無料期間などを活用して導入テストを行い、導入する部署の意見も参考にしながら自社に適したツールかどうかを見極めましょう。
なお、きちんとマニュアルがあるか、サポート体制は充実しているかなど、ツールを提供しているベンダーにも注目することが大切です。
ペーパーレス化
紙データをデジタルデータにする際、どうしてもスキャンなどの手間がかかります。
しかし、紙帳簿や資料などをペーパーレス化(デジタルデータ化)すれば、人的リソースや時間的リソースの削減になり
コア業務にも注力できるようになります。徐々にペーパーレス化を進めて、業務自動化を拡大しましょう。
業務自動化のシステム導入事例
こちらでは、JBATのETLツール「Qanat(カナート)」の導入事例についてご紹介します。
オザックス株式会社様
オザックス株式会社さまは、Qanatと帳票配信サービスを連携し、請求書の発行・送付の自動化を実現。
事務作業と郵送コストの削減が行えた他、システムの自動連携により人員による監視の負荷を減らし、運用の効率化に成功しています。
導入事例については、下記の記事で詳しくご紹介しています。ぜひ、合わせてご覧ください。
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帳票配信サービスと連携し、請求業務の自動化を実現 !繁忙期でも残業がほぼゼロに
- 請求書の自動発行・自動送付を実現し、事務作業を効率化
- ドキュメント管理システムと組み合わせて過去検索を可能に
- システムの自動連携により監視の負荷が激減、運用がスムーズに
事例詳細 ≫
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まとめ
業務自動化は、システムやツールを導入することで少しずつ進められます。
ただし、システムやツールによって特徴や向き不向きが異なりますし、企業によっても自動化したい業務は違うでしょう。
導入してから後悔しないためにも、比較検討を行いながら自社に適したものを選ぶことが大切です。
業務自動化に関する難易度を下げたい方は、個別開発が不要なデータ連携ツールがおすすめです。
例えば、JBATの「Qanat 2.0」は、オンプレミス・クラウド上に分散したあらゆるデータを、ノンプログラミングで他システムに連携・変換できます。
ドラッグ&ドロップの直感操作なので、エンジニアなどの専門的な知識・経験を有する人材が不足していても安心してご利用いただけます。
Qanat 2.0について詳しく知りたいという方は、ぜひJBATまでご相談ください。