データベースの連携とは?連携方法から活用方法まで解説

2022/11/07

「データベース(DataBase:DB)」は、さまざまなシステムで活用するデータを検索・編集しやすい状態で保管した、いわばデータ(情報)の集合体。企業にとって有益となる大量のデータを取り扱うために欠かせないものであり、データベースに蓄積された情報があるからこそ企業戦略を導き出すことが可能となります。
今回は、データベース連携の概要や連携方法、データベース連携のメリット・デメリット、活用例などについてご紹介します。

データベースの連携とは?連携方法から活用方法まで解説

目次
    1. データベース連携とは
    2. 2つのデータベース連携の方法
      1. 直接参照
      2. 複製作成
    3. 代表的なデータベースの種類
      1. 階層型データベース
      2. ネットワーク型データベース
      3. リレーショナルデータベース
    4. データベース連携をすることで業務の効率化を目指す
      1. 工数削減が可能
      2. リスクヘッジができる
      3. 業務効率化を見込める
    5. データベース連携をするデメリット
      1. データフォーマットの変換が必要
      2. データ活用方法の検討が必要
    6. データベース連携の活用例
      1. 顧客情報の管理
      2. Webアプリケーションの連携
      3. 販売管理
    7. データベースのセキュリティ対策は重要
    8. まとめ

データベース連携とは

データベース連携についてお話しする前に、まずはデータベースについて解説します。
冒頭でも述べたように、データベースはあらゆるデータが検索・編集しやすい状態で保管されたもの。
多くのデータを管理するアプリケーションでは、データを整理するデータベースは必要不可欠です。
ちなみに、コンピュータ上にあるデータをデータベースと呼ぶことが多いですが、データベース管理システム(DBMS:Database Management System)や、管理システム上で取り扱うデータのことをデータベースと呼ぶケースもあります。この他、紙で管理する住所録や電話帳も広い意味でデータベースの括りとなります。
データベース内にあるデータ(種類ごとに保管したデータ)同士を紐づける機能を「データベース連携」といいます。
データベース連携を行うことで、連携元のデータベース内にあるほしい情報を連携させることでデータを活用しやすくなります。例えば、「顧客の基本情報」「顧客の履歴情報」「商品情報」などを連携させれば、「誰が、どの商品を、いくつ購入し、売上がいくらなのか」を連携先のデータベースにまとめることも可能です。
なお、データ連携と混同してしまいがちですが、データベースはあくまでもデータのみを扱うもので、
複数のアプリケーションをつなぐデータ連携とは異なります。

2つのデータベース連携の方法

データベース連携の方法には、「直接参照」と「複製作成」があります。

直接参照

直接参照とは、他システムのデータベースに直接アクセスする方法です。
参照権限のみを有する接続ユーザーを用意することで、リアルタイムで情報を参照することが可能です。
ただし、他システムのデータベースの性能はもちろん仕様変更の際にも影響を受けてしまうなど、いくつかのデメリットもあります。

複製作成

複製作成とは、所有しているデータベースにテーブル(※)の複製を作ってアクセスする方法です。
他システムの影響を受ける心配がなく、また所有するデータベースに複製したテーブルを結合することも可能です。
ただし、システム構成によってはリアルタイム性が失われるなどのデメリットもあります。
※テーブル......データベース内にあるデータを保管するための表になった領域。

代表的なデータベースの種類

こちらでは、一般的なデータベースの種類について解説します。

階層型データベース

階層型データベースでは、ツリーのように上層から下層に向かって枝分かれさせながらデータを管理します。
特定のデータに行き着くまでのルートが限定的で、検索速度が早いという特徴がありますが、同じデータが複数の箇所に登録されるケースも出てきます。
例えば、Aさんが総務と経理を検認している場合、総務部と経理部のどちらにも別々にAさんの情報を登録するため情報の重複登録が起きてしまいます。

ネットワーク型データベース

ネットワーク型データベースは、関連性の高いデータを相互に結びつけて管理します。
上から下へと一方通行にルートができる階層型とは異なり、網目のように縦横に分岐しながらルートができるため、情報を個別に登録する必要がありません(重複登録を避けられる)。
上記の例でいうと、総務部と経理部のどちらからでもAさんの情報を開くことができ、またAさんのデータから総務部と経理部の両方にアクセスすることが可能です。

リレーショナルデータベース

リレーショナルデータベース(RDB)は、エクセルのような表形式(テーブル)でデータを管理します。「行(レコード)」と「列(フィールド)」があることで整理がしやすく、視覚的に項目を理解できるというメリットがあります。
現在はデータベースといえば、リレーショナルデータベースのこととして扱われることが一般的です。


データベース連携をすることで業務の効率化を目指す

データベース連携によってデータ同士を紐づければ、下記のメリットを享受できます。

工数削減が可能

データベース連携によって、工数削減が目指せます。
例えば、一つの案件で同じような内容を複数の書類(見積書・納品書・請求書など)に記載するケースがありますが
データベースを連携させることで同項目を自動的に反映させることが可能です。
入力作業にかかる工数を削減できるため、その分の時間はコア業務に注力できます。

リスクヘッジができる

データベースは、扱うデータの種類や項目ごとに分かれています。
データベースが分散させ、外部からデータ連携という形でシステムを構成する場合は
混線のリスクが少なく、アクセス過多による機能停止のリスクも回避できます。

業務効率化を見込める

データベース連携によってデータの活用がスムーズになれば、業務効率化につながります。
業務にかかる時間が短縮されれば負担の軽減、生産性の向上や利益アップ
従業員の満足度アップも目指せるため、企業成長につながります。


データベース連携をするデメリット

データベース連携には、下記のようなデメリットもあります。

データフォーマットの変換が必要

データベース連携によってまとめたデータをシステム間で連携する際には
連携元(エクスポート先)と連携先(インポート先)のフォーマットを合わせる必要があります。

データ活用方法の検討が必要

データベースに蓄積するデータを活用するためには、人の力が必要です。
連携はもちろんデータ収集や分析において完全な自動化は難しいため、担当者に依存してしまうケースも少なくありません。

データベース連携の活用例

こちらでは、データベース連携の活用例についてご紹介します。

顧客情報の管理

データベース連携をすることで、顧客情報の管理がしやすくなります。
例えば、セミナー参加者の情報をまとめたとき、会員(顧客)と非会員が混在するケースもあるでしょう。
顧客情報と参加者のうち会員のみのデータをまとめたい場合、データベース連携を行えば「セミナー参加者で、かつ会員の情報を顧客情報と連携」することが可能です。

Webアプリケーションの連携

Webアプリケーションとデータベースを連携することで、Webページ画面を介してさまざまな処理を実行できます。
例えば、送信内容をもとにデータベースに情報を保存・更新するなども可能です。
Web上でデータを取り扱えるようになるため、インターネットに接続されていれば、どこにいてもWebページの作成・処理ができます。

販売管理

複数のデータベースの連携して活用すれば、情報の共有・保管が効率的になります。
例えば、「いつ、どこで、何を、誰に、いくつ、いくらで販売したのか」「商品代金を回収したか」などの販売管理業務もスムーズに行えます。適切な販売管理業務が行えるため、企業の損益の把握や、利益向上にも役立つでしょう。

データベースのセキュリティ対策は重要

データベースを活用する際はセキュリティ対策についても注意する必要があります。
近年、サイバー攻撃の増加が問題になっています。データベースには顧客情報を含む企業の要ともいえる情報が多く、サイバー犯罪のターゲットになりやすいため、企業のセキュリティ対策は急務といえます。
管理を怠ると、情報漏えいやデータの不正利用の危険性が高まるため、データベースの脆弱性などをきちんと確認し、適切な対策を講じる必要があります。

まとめ

データベース連携は、有益な情報を活用するために欠かせません。従業員はもちろん顧客満足度につながる施策を打つためにも、安全性の高いデータベース連携ツールを導入し、業務効率や生産性の向上を目指しましょう。
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