帳票とは?帳簿や証憑との違い、保存期間や管理方法についてご解説

2023/05/16

帳票(ちょうひょう)は、経営を行う上で必ず取り扱うことになる書類です。確定申告に影響する重要な書類ですが、具体的にどのような書類を帳票と呼ぶのか、また帳簿や伝票と何が違うのかわからないという方は少なくありません。
そこで今回は、帳票の概要や種類、保存期間、管理方法などについて解説します。一般的な管理方法に加えて、帳票の電子化、設計に役立つ「PrintPro」についても紹介いたしますので、ぜひご覧ください。

帳票とは?帳簿や証憑との違い、保存期間や管理方法についてご解説

目次
    1. 帳票とは?
    2. 3種類の帳票
      1. 1. 帳簿
      2. 2. 伝票
      3. 3. 証憑
    3. 帳票の保存期間と管理方法
      1. 法人税法上の帳票の保存期間
      2. 会社法上の帳票の保存期間
      3. 帳票の管理方法
    4. 安全に帳票を管理する方法
      1. 一般的な管理方法
      2. 帳票の印刷を4日から1日に短縮できる「PrintPro」
    5. まとめ

帳票とは?

帳票とは、経営における取引や会計に関する書類のことであり、「帳簿」と「伝票」を組み合わせた会計用語です。
経営活動における取引の証拠として示す記録書類であり、例えば以下のものが挙げられます。
・金銭取引を記録する請求書や振込伝票
・電話や通信サービスなどの利用履歴
・電気やガス、水道の使用量
・成績や健康診断の結果など、サービス情報を伝える通知書類
・勉強会や講演会、出張などの申請や出退勤の記録など、人の動きを伝える申請書類
・物品を配送したり受け取ったりする際の記録書類
経営において作成する書類は、ほぼ帳票にあたります。
帳票は税務署への提出書類に相当する重要な書類なので、取り扱いや管理には注意しましょう。

3種類の帳票

帳票は「帳簿」と「伝票」を包括する言葉なので、どうしても混同されがちです。
また、帳票には証憑(しょうひょう)と呼ばれる書類も含まれており、やはり違いがわかりづらいと感じる方もいるようです。
そこでこちらでは、帳簿・伝票・証憑がどのような書類を指す言葉なのかをご紹介します。

1. 帳簿

帳簿は、経営状況を把握するために作成される書類です。例えば、「総勘定元帳」と「仕訳日記帳(仕訳帳)」を確認すると、どの時期に、どれほどのお金が動いたのかがわかる仕組みになっています。また、現金の取引や口座の記録などを記載する「出納帳」や、減価償却に使用する「固定資産台帳」も企業経営においては重要です。経営における金銭の流れや取引を明確にするために、複数の帳簿を簿記のルールに従って作成する必要があり、その後きちんと保管・管理する必要があります。
なお、帳簿には下記が挙げられます。
・総勘定元帳
・仕訳日記帳(仕訳帳)
・出納帳(現金出納帳・預金出納帳)
・手形記入帳(受取手形記入帳・支払手形記入帳)
・固定資産台帳
・買掛帳
・売掛帳
・売上帳
・仕入帳

2. 伝票

伝票は、お金に関する取引を記載した書類であり、主に入出金記録に関する書類の名称です
(総勘定元帳や仕訳帳、出納帳など帳簿に含まれるものは除外)。
お金の出入りを記録する「入出金伝票」、仕入取引を記録する「仕入伝票」などが有名でしょう。
なお、伝票には下記が挙げられます。
・入出金伝票(入金伝票・出金伝票)
・仕入伝票
・売上伝票
・振替伝票
・経費精算伝票

3. 証憑

帳簿や伝票は取引後に作成されるのに対して、証憑は取引があるその時々に作成されます。
取引の過程や結果を記録する書類なので、経営状況や経営活動を記録する帳簿・伝票とは若干役割が異なるでしょう。
クライアントなどとの取引を記録するだけでなく、自社の従業員との取引にも証憑は作成されます。
「給与がきちんと支払われていない」「履歴書に不備や詐称がある」「各種経費の申請に不備がある」など、ビジネスシーンにありがちなトラブルが起きたとしても、証憑書類を見ればどちらの言い分が正しいのかがわかります。
なお、証憑には下記が挙げられます。
・契約書
・見積書
・注文書
・履歴書
・退職届
・納品書
・領収書
・給与明細書
・レシート
・健康診断書
・出勤簿
・賃貸借契約票

帳票の保存期間と管理方法

帳票は、法律で保存が義務づけられています。仮に税務署からの監査が入った場合、帳票を明示できないでいると取引の事実を証明できません。保存をしないと追徴課税などの措置を課される恐れがあるため、保存期間や管理方法については把握しておきましょう。
帳票の保存期間と管理方法は、下記のとおりです。

法人税法上の帳票の保存期間

法人税法上の保存期間は、個人が5年間、法人が7年間です。また、欠損金が発生した事業年度に関しては帳簿・伝票ともに9年間または10年間の保存が必要になります。
ただし、下記のように長く保存しなくてはならない帳票もあるため、きちんと確認しましょう。

保存義務の期間

帳票類

30年間

・労働者に関する作業概要等の定期記録

・特定化学物質等健康診断個人票

・放射線業務従事者等の健康診断書 など

10年間

・取締役会議事録

・株主総会議事録

・計算書類及び附属明細書 など

7年間

・取引証憑書類

5年間

・産業廃棄物管理票(マニフェスト伝票)の写し

・産業廃棄物処理委託契約書

・身元保証書

・誓約書 など

※2022年4月現在

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会社法上の帳票の保存期間

法人税法とは異なり、会社法上の保存期間は、例外なく10年間と決められています。
帳票によっては法人税法に該当するもの、会社法に該当するもの、両方に該当するものがあります。
こちらも保存期間をきちんと確認してください。

帳票の管理方法

帳票の管理方法は原則、紙で行います。電子データの場合、通信障害の影響を受けたり、改ざんなどのリスクがあるため
パソコンで作成した帳票であっても紙に印刷して保存・管理しなくてはなりません。
とはいえ、紙での保存・管理は作業の手間がかかる他、用紙や保管場所の確保のためのコストがかかります。
また、DX(デジタルトランスフォーメーション)化の推進が叫ばれる昨今は、ペーパーレス化を推奨する企業が増えており、電子化を望む企業も年々増加傾向にあります。
そのため現在は、要件を満たして税務署での申請承認を受けられれば、一定の書類は電子データで保存・管理しても良いと認められています。電子データでの管理を行いたい場合は、管轄の税務署に問い合わせてみましょう。
なお、帳票の保存期間や電子による管理方法については国税庁のWebサイトにも記載があります。気になる方は、チェックしてみてください。

安全に帳票を管理する方法

パソコンやスキャナーなどで電子化された帳票を「電子帳票」といいます。
こちらでは、電子帳票で管理する場合のファイル形式の特徴と、帳票印刷におすすめの製品をご紹介します。

一般的な管理方法

一般的に使用される電子帳票のファイル形式と特徴は、以下のとおりです。

PDF

PDFは、出力したときの文字化けや罫線のズレなどが起きづらいです。暗号化などのセキュリティ設定もできるため
情報漏えいのリスクも抑えられます。

Excel

Excelは、関数を使った数式やグラフなどを使って自由に編集できます。出力した後も、追記などの編集が行いやすいため
帳票の作成・閲覧・出力に向いています。

HTML

パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットなど、さまざまなデバイスから確認可能です。
どこでも入力・編集・閲覧・出力ができるため、HTMLの帳票を利用する企業が増えています。

帳票の設計から出力を4日から1日に短縮できる「PrintPro」

帳票作成ツールは、業務システムからデータを抽出して設計を行うことで専門的なプログラム知識がなくとも帳票を作成できます。クラウドやオンプレミスものなどさまざまな製品やサービスがあるため、自社に適したものがきっと見つかるはずです。
「PrintPro」は、帳票設計から出力まで対応できる帳票作成ツール。ノンプログラミングで帳票設計・出力ができるため、初めてツールを利用する方も使いやすく、DX推進のためにペーパーレス化を実施しようと考えている中堅中小企業にもおすすめです。
マルチブラウザに対応しており、Webブラウザからダイレクトに印刷できるため印刷時間を短縮できます。高セキュリティ設計なので、情報漏えいのリスクなどが抑えられて安心です。

まとめ

帳票は、日々の業務で使用する重要な書類です。取り扱いによっては企業経営や日々の業務に影響することもあるため、保存期間を守り、適切な管理を心掛けましょう。
DXやペーパーレス化、PrintProについて詳しく知りたいという方は、ぜひJBアドバンスト・テクノロジー株式会社にご相談ください。

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