環境への配慮からペーパーレス化を推進する企業も多いですが、実際に環境負荷が低減するのか、どの程度CO2(二酸化炭素)の排出量を削減できているのかは実感しづらいものですよね。成果が見えないままの試みはモチベーション低下を招く要因のため、改めてペーパーレス化の環境への影響について理解を深めましょう。今回は、ペーパーレス化が環境に与える影響や政府の取り組み、ペーパーレス化のメリット、企業でできる環境保全への取り組みについてご紹介します。
- 目次
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- ペーパーレス化が環境に与える影響とは
- 紙焼却時のCO2排出量を削減できる
- 電力消費量とCO2排出量が発生
- ペーパーレス化した場合としない場合のCO2排出量の比較結果
- 環境省でも環境のために取り組んでいるペーパーレス
- ペーパーレス化のメリットとは
- コスト削減
- 業務効率化・生産性向上
- セキュリティ・内部統制の強化
- 働き方の多様性に対応
- 企業イメージの向上
- 企業で実践すべき環境保全への取り組み方法
- プロジェクター等を利用して資料を共有する
- 古紙回収・再利用する
- 節電を心掛ける
- 書類をPDF化する
- ペーパーレスシステムを導入
- 「ペーパーレスソリューション」導入事例
- まとめ
ペーパーレス化が環境に与える影響とは
こちらでは、ペーパーレス化が環境に与える影響について解説します。
紙焼却時のCO2排出量を削減できる
紙を焼却する際には多くのCO2が排出されますが、ペーパーレス化により使用する紙の量を減らせれば、必然的に焼却する紙の総量が減るためCO2排出量を削減することが可能です。
1kgあたりの可燃ゴミを燃やしたCO2排出基準値は0.34とされており、例えば、オフィスでよく使用されるA4サイズの普通紙を1万枚(40kg/1枚4g)焼却した場合、13.6kgのCO2が排出されます。
つまり、1万枚の紙を削減できれば、CO2排出量を13.6kg減らすことができるというわけです。
【CO2排出量の目安】=【紙の重さ】×【CO2排出基準値:0.34】
電力消費などによってもCO2は排出されるため微々たる効果かもしれませんが、紙を製造する際のCO2排出量を削減できる他、同時に森林保護にもつながるため、決して無駄なことではないでしょう。
電力消費量とCO2排出量が発生
先でも述べたように、CO2は電力消費によっても発生するため、ペーパーレス化に取り組んでもCO2排出量をゼロにすることはできません。
ペーパーレス化のために導入した機器を使用する際にもCO2は排出され、東京電力によると100kwhの電力消費により発生するCO2は44kgほどになるといわれています。
導入機器
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1時間あたりの消費電力
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1日8時間、20日使用した場合の消費電力
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サーバー
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22.5w
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10.8kwh(10800w)
※サーバーは24時間稼働で計算
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パソコン/5台
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12.5w
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10kwh(10000w)
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タブレット/5台
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7.5w
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6kwh(6000w)
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モニター/5台
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3.75w
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3kwh(3000w)
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【CO2排出量の目安/月】
=【消費電力/月】÷【消費電力基準値:100kwh】×【CO2排出基準値:44kg】
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上記の数値を式にあてはめると、
【29.8kWH】÷【100kWH】×【44kg】=【13.1kg】
となります。
つまり、ペーパーレス化により上記の機器を導入した場合の毎月のCO2排出量は13.1kgになるというわけです。
導入機器の数などでCO2排出量は変化するため、導入前と導入後のCO2排出量の違いがどの程度になるのか、比較しておくと良いでしょう。
ペーパーレス化した場合としない場合のCO2排出量の比較結果
上記の数値を用いて、ペーパーレス化した場合としない場合のCO2排出量の違いを比べてみましょう。
・ペーパーレス化したときのCO2排出量=13.1kg
・A4の紙を1万枚消費・焼却した場合のCO2排出量=13.6kg
上記の数値・条件で比較すると、若干ペーパーレス化のほうがCO2排出量は少ないです。
このように、ペーパーレス化を進める前に自社の環境を数値化して比較してみることをおすすめします。
環境省でも環境のために取り組んでいるペーパーレス
環境省は働き方改革とCO2削減の両立を目指すべく、
2018年よりペーパーレス化などに取り組んでいる企業の応援を開始しました。具体的な取り組みは下記のとおりです。
・働き方改革がCO2削減につながることを「見える化」するための算定ツールを作成
・中小事業者を含め、企業経営にSDGsを取り入れることを促進するために
「すべての企業が持続的に発展するために―持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド―」を作成
・エコアクション21認証・登録事業者(約8,000事業者)などに、算定ツールとSDGs活用ガイドの活用を促す
・エコアクション21認証・登録制度のホームページに働き方改革に関する制度のリンクを設け、さらに同制度の審査員の知識習得などを図り、エコアクション21認証・登録事業者へ助言などを行う参照
:環境省「働き方改革とCO2削減等の両立を応援する取組を開始します」
働き方改革とCO2削減をつなげることで、より多くの企業がペーパーレス化に乗り出すことが期待されています。
ペーパーレス化のメリットとは
こちらでは、ペーパーレス化のメリットについて解説します。
コスト削減
紙ベースの業務では紙代や印刷代、印刷機器のリース・レンタルにかかる費用、メンテナンス代、請求書などの郵送代、文書の廃棄費用など、さまざまなコストがかかります。しかし、ペーパーレス化することで大半のコストを削減することが可能です。
業務効率化・生産性向上
ペーパーレス化にすれば、業務効率化や生産性向上に一役買います。例えば、書類の作成などでミスがあっても修正に手間がかかりません。また、申請書や稟議書の回覧・承認作業もネット上で行えるため、待ち時間を短縮できます。
この他、書類の管理や保管もクラウド上でできるため、検索するだけで必要なデータをすぐに見つけられます。
セキュリティ・内部統制の強化
紙の書類は鍵のついた倉庫やキャビネットでの保管が必要になりますが、電子データはアクセス・閲覧権限の設定ができるので不正持ち出しや内容の改ざんなどを防げます。
また、紙のように劣化しないため長期間の保存にも向いており、万が一データを削除してもバックアップから復元ができます。
働き方の多様性に対応
紙ベースの業務だとオフィスに出社しなくてはならないことも多いですが、ペーパーレス化すれば時間や場所に関係なく普段と同じ業務ができます。コロナにより急速に広まったテレワークですが、その働き方を今後も継続したいと望む方もいるでしょう。働き方が多様化する現代において、ペーパーレス化は必須の取り組みといえます。
企業イメージの向上
ペーパーレス化に取り組むことで、「環境保護やSDGsに関心がある企業」というプラスのイメージを抱いてもらえるでしょう。企業イメージの向上につながれば、同じ志を持つ企業とのビジネスチャンスが生まれたり、新しい顧客の獲得にもつながるはずです。ペーパーレス化について詳しく知りたい方はこちら
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ペーパーレスが必要な理由やペーパーレス実現に向けての注意点について解説
「ペーパーレス化を進めたいのにうまくいかない」という企業もいるのではないでしょうか。そこで本記事では、ペーパーレスが必要とされる理由やメリット、注意点などについてご紹介します。ペーパーレス化に向けて取り組みたいという方は、ぜひご覧ください。
ペーパーレスが必要な理由 ≫
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企業で実践すべき環境保全への取り組み方法
企業で実践できる環境保全への取り組みは、以下のとおりです。
プロジェクター等を利用して資料を共有する
会議資料を電子データ化すれば、紙代を節約できます。また、電子データをプロジェクターで共有すれば使用するデバイスの台数が少なくなり、消費電力が抑えられてCO2排出量を減らすことができます。
古紙回収・再利用する
印刷用紙を節約するため、使用した紙の裏面も使用しましょう。両面を使用することで印刷に使用する紙のコストは半分になります。また、印刷には使えなくてもメモ用紙として活用できるケースもあるため、古紙は回収して再利用しましょう。
なお、会議などではどうしても紙の資料でなければいけないという場面もあると思うので、その際は最初から両面印刷にするなど工夫することをおすすめします。
節電を心掛ける
節電を行うことで、CO2排出量を抑えられます。
・不要な場合はオフィスの電気を消す
・モニターは省電力モード・使用していない機器は電源を切る
・エアコンの設定温度を調節する上記のように、節電のためにできることはいくつもあります。
無駄な箇所はないか、注意深く探してみましょう。
書類をPDF化する
書類をPDF化すれば、紙に印刷したときと同じような状態で保存できます。
閲覧しやすく、紙書類に慣れている方にも受け入れられやすいでしょう。どのデバイスでも開くことができるため、クラウド上に保存・共有すれば、会議や営業、テレワークなど、どこにいても瞬時に資料を確認できます。
ペーパーレスシステムを導入
ペーパーレス化に役立つシステムを導入しましょう。
ペーパーレス化によって環境保全につながる他、企業内のDX化推進の一助になります。
「ペーパーレスソリューション」導入事例
JBアドバンスト・テクノロジー株式会社(以下、JBAT)の「QanatUniverse ペーパーレスソリューション」は、ペーパーレスに特化したサービスです。請求書の振り分けや転記業務、帳票の電子データ化などあらゆる紙業務に対応できる他、手書き文字をデジタル化したり電子データをテキスト化したりといった作業も対応可能です。
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JBCCグループ業務センターでは、取引先からの紙の請求書や、FAXでやりとりしていた納期回答書をPDF化し、様々な製品やサービスをつなぐクラウドプラットフォーム「Qanat Universe」に取り込みます。毎月900件の請求書の処理を自動化する他、手書きの納期回答書への対応も可能にしています。
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まとめ
ペーパーレス化はCO2排出量を抑制する効果が期待されているため、多くの企業でますますペーパーレス化が進められるでしょう。
ただし、使用する導入機器の数や稼働時間、使用する人数などによってCO2排出量は変わるため、現状とペーパーレス後の変化をシミュレーションして慎重に進めることをおすすめします。
導入するシステムについても自社の紙業務の課題を解決できるようなものを選ぶことが大切です。環境保全を意識しつつ、何に困っていてどう解消したいのかを考えながら、自社にぴったりのシステムを探してみてください。
ペーパーレス化についてお悩みの方は、ぜひJBアドバンスト・テクノロジー株式会社にご相談ください。
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