紙からの脱却が叫ばれる昨今においても、FAXによる受注業務を行っている企業は少なくありません。
しかし、FAXは用紙代やインク代などのコストがかかる他、業務効率の低下や人的ミス(ヒューマンエラー)を招きやすいというデメリットがあります。
そこで今回は、FAX業務の実態や受注業務を電子化するメリット、業務効率向上の方法、電子化に対応する際の注意点などをご紹介します。
FAX業務の電子化を考えている企業担当者の方は、ぜひご参考にしてください。
- 目次
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- FAX受注の実態
- FAX受注でよくある業務の課題
- 多様な働き方に対応できない
- 書類の仕分けや該当のFAX書類を探す手間がかかる
- 書類紛失のリスク
- 受け取り後の手入力管理による人的ミス
- FAX受注電子化のメリット
- コストの削減
- 人的ミスの削減
- 他部署と連携がしやすくなる
- FAX受注の業務を効率化する方法
- 受発注システムの導入
- AIOCRで自動化
- インターネットFAXを活用
- FAX書類を電子化する際の注意点
- 取引先の伝票フォーマットへの対応が必要
- FAXで受け取った書類によって電子化できない可能性がある
- JBAT「ペーパーレスソリューション」導入事例
- まとめ
FAX受注の実態
ある企業が1,065人を対象に実施した
「企業の受発注業務に関する実態調査」によると、
4割以上の受注業務の担当者がFAXや郵送で紙の注文書を受け取っていることが分かっています。
また、リモートワークが可能にもかかわらず、
FAX受注のために出社したことがある担当者は約6割にも上ることが判明しています。
引用:
「企業の受発注業務に関する実態調査」
受注業務を電子化したいと考える企業は多いものの、
「取引先の希望により紙の注文書を使用せざるを得ない」という企業や
「複数のデジタルツールを導入することを億劫に感じる」という企業は少なくありません。
しかし、法改正によりFAXによる注文書にも電子帳簿保存法が適用されるため、受注業務の見直しを早急に行う必要があります。
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FAX受注でよくある業務の課題
FAX受注業務には、下記のようにいくつかの課題があります。
多様な働き方に対応できない
一つは「多様な働き方に対応できない」という点です。先でも述べたように、リモートワークに対応できる企業であっても
FAX受注のために出社するという担当者は少なくありません。商品の在庫や納期の調整など、注文書の内容確認は急を要することもあるためです。
しかし、従業員の中にはプライベートな事情から出社が難しい方、家での作業のほうが効率が良い方もいるはずです。
リモートワークを導入しても活かせない、出社しなくてはならない環境は従業員にとって負担になりますし、不満が募ることになり企業にとっても不利益といえます。
書類の仕分けや該当のFAX書類を探す手間がかかる
デジタルデータなら検索ができるため、過去の取引履歴などを確認する作業がすぐに行えますが、FAX受注では書類を仕分けしたり探したりする手間がかかります。
書類の管理はもちろん必要な書類をすぐに探せないのは業務効率低下を招く要因となります。
書類紛失のリスク
紙の書類は破損や紛失のリスクがあります。もちろんデジタルデータも消えてしまう可能性がありますが
バックアップをとったり復元したりと対応策もあるため、紙書類よりも破損・紛失のリスクは低いといえます。
受け取り後の手入力管理による人的ミス
FAXの内容を手入力管理している企業は多いでしょうが、その分人的ミスが起きる確率も高まります。
受注数や納品日にミスがあると企業の信用問題になり、場合によっては取引先から受注を取り消されることもあるため注意が必要です。
FAX受注電子化のメリット
FAX受注業務を電子化すると、下記のようなメリットを享受できます。
コストの削減
まずは、FAXに使用する用紙やインク代、リースなどにかかる設備費用の負担が軽減されます。月に数十通程度ならあまり心配はないでしょうが、枚数が多くなればなるほどコストはかかりますし、長い目で見るとコストがかかって企業の経済状況を圧迫してしまう恐れがあります。
脱FAXなど少しずつでも社内のDX化を進めることでコストは削減され、浮いた費用を必要な業務やこれから立ち上げる新規プロジェクトに投資することが可能です。
人的ミスの削減
次に、人的ミスの削減です。FAXから電子データに移行すれば、手入力などによる人的ミスを減らすことが可能です。
DXに役立つシステム・ツールを使用すれば、データ整理も機械化によりスムーズに行えるため、人的ミスはもちろん人的コストも削減できるでしょう。
他部署と連携がしやすくなる
電子化により他部署と連携がしやすくなる、という利点もあります。
注文内容によっては営業や生産管理、経理などと連携をとることもあるでしょう。
紙書類だと情報を精査して共有するまでに時間がかかりますが、電子化なら「閲覧許可」を与えられた方に瞬時に情報を共有できます。
FAX受注の業務を効率化する方法
FAX受注業務を効率化する方法は、主に下記の3つです。
受発注システムの導入
受発注システムを導入すれば、受信したFAXの情報を自動で管理システムに反映できます。
手動で情報を入力する手間がなくなるため、工数削減や人的ミスの軽減に役立ちます。
AI OCRで自動化
AI OCRを搭載したシステムを使用すれば、手書きのFAXの自動読み取りも可能になります。
近年では精度の高いAI OCRも開発されており、使い続けることで学習し、より細かな読み取りもできるようになります。
FAXはもちろん市場調査の結果や大量のアンケート結果を集計する際などにも役立つでしょう。
インターネットFAXを活用
どうしてもFAXじゃないとダメという場合は、インターネットFAXを使用するのも一つの手です。
インターネット上で確認ができるので、出先からでもすぐに内容を確認できます。リモートワークを推進する企業にも導入しやすいでしょう。
FAX書類を電子化する際の注意点
FAXによる書類を電子化する際は、下記のことに注意してください。
取引先の伝票フォーマットへの対応が必要
取引先によって注文書などのフォーマットは異なります。こちらで用意したものを使ってほしいと思っても、取引先によってはすでに使用しているフォーマットを使わせてほしいと拒否されることもあります。
そうなると取引先のフォーマットが統一できないため、社内で対応するための体制づくりやシステムの選定をしなくてはなりません。
FAXで受け取った書類によって電子化できない可能性がある
FAXを送信する際、書類が傾いたりノイズがあったりすると自動で読み取りができないことがあります。受け取った書類の状況に左右されることもあるため、さまざまなシチュエーションを考慮して導入するシステムを選定することが大切です。
JBAT「ペーパーレスソリューション」導入事例
JBアドバンスト・テクノロジー株式会社(以下、JBAT)の「QanatUniverse ペーパーレスソリューション」は、ペーパーレスに特化したサービスです。
請求書の振り分けや転記業務、アンケートの電子データ化などあらゆる紙業務に対応できる他、最先端のAI技術を搭載したAI OCR技術によっては、手書き文字でも99.2%という高い読み取り精度でデジタル化をすることが可能です。
まとめ
FAXの使用は決してデメリットばかりではありませんが、DX化やペーパーレス化を課題に据えている企業にとっては脱FAXは急務といえます。
また、FAXを多用している企業にとっても電子帳簿保存法は無視できないものなので、できるだけ早い対策が望まれます。
一度にペーパーレス化を進めるのは得策ではないため、システムを吟味しながら段階的に施策を行ってみてください。
DX化やペーパーレス化、脱FAXについてお悩みの方は、ぜひJBアドバンスト・テクノロジー株式会社にご相談ください。