DX化やペーパーレス化が推進される昨今、帳票(帳簿・伝票)の電子化を検討している企業は少なくないでしょう。
しかし中には、「なぜ電子化しないといけないのか分からない」「今までどおりのやり方で良いのでは?」「電子化するメリットやデメリットはあるのか」など疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、帳票の電子化が進められている背景や紙帳票の課題、電子化のメリット・デメリット、電子化のスムーズな進め方などをご紹介します。ぜひ、ご参考にしてください。
- 目次
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- 帳票の電子化が進められている背景
- リモート環境の普及
- インボイス制度や電子帳簿保存法などの法令整備
- 業務における紙の帳票の課題
- 帳票作成に手間がかかりリスクが生じる
- 印刷や送付によるコストがかかる
- 書類の保管や管理が煩雑になる
- 帳票を電子化するメリット
- 紙や人件費に関するコスト削減
- 業務効率化・生産性向上
- 多様な働き方に柔軟に対応できる
- セキュリティ性の確保
- 帳票の電子化で生じうるデメリット
- 電子化ツールやシステム導入の初期費用が発生する可能性がある
- 取引先に電子帳票の理解を得る必要がある
- 社内の業務フローを見直す必要がある
- 帳票をスムーズに電子化するための進め方
- 帳票を電子化する書類の範囲を決める
- 業務フローへの影響範囲を確認する
- 自社システムへの連携可否を確認する
- 電子帳簿保存法に対応しているかどうかを考える
- 自社にとって必要な機能があるかどうかを確認する
- 帳票を電子化する方法
- JBAT「ペーパーレスソリューション」導入事例
- まとめ
帳票の電子化が進められている背景
帳票の電子化が進められている背景には、下記の要因があります。
リモート環境の普及
コロナ禍によりリモートワークが普及したことで、在宅でも対応できるよう帳票の電子化に乗り出す企業が増えています。
インボイス制度や電子帳簿保存法などの法令整備
インボイス制度(適格請求書等保存方式)や電子帳簿保存法などの法令が整備されたことも、帳票の電子化を加速させています。
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業務における紙の帳票の課題
紙の帳票には下記のような課題があります。
帳票作成に手間がかかりリスクが生じる
紙の帳票類は、作成や確認、処理、管理に手間がかかります。人的ミスのリスクもありますし、その場合の対応にも時間がかかるため業務効率が良いとはいえません。
印刷や送付によるコストがかかる
印刷や郵送、保管場所の確保などのコストがかかります。部署によっては帳票類を多く扱うこともあるでしょう。
作成のたびにコストがかかるため、一枚一枚は微々たる金額でも後々は会社の経費を圧迫することになります。
書類の保管や管理が煩雑になる
紙の帳票類は保管に場所を取る他、数が膨大なので管理が煩雑になりやすいです。
必要なときにすぐに探せず、確認に時間を要することがあります。また、紙の帳票類は紛失リスクや摩耗による破損リスクもあるため保管や管理が難しいという側面もあります。
帳票を電子化するメリット
帳票を電子化するメリットは、主に下記の4つです。
紙や人件費に関するコスト削減
紙の帳票類を作成・送付する際は、印刷代や切手代、印紙代などが必要ですが、電子化すればこれらのコストを削減できます。
また、帳票作成にかかる人件費もカットできるため、重要な案件に費用を回すことができます。
業務効率化・生産性向上
紙の請求書や領収書、納品書などを郵送する際、印刷や宛名書きをしたり、ポストへ投函するために外出したりといった手間がかかります。
しかし、電子化すればこれらの手間を削減でき、空いた時間をコア業務にあてられます。結果、業務効率化や生産性向上につながります。
多様な働き方に柔軟に対応できる
リモートワークを推進する企業が増えていますが、帳票類の作成などの紙業務があると担当者は出社を余儀なくされてしまいます。
しかし、帳票類を電子化できれば在宅勤務でも帳票の発行業務が可能になります。リモートワークが可能な仕事を選ぶ求職者もいるため、多様な働き方に対応することで有能な人材を獲得するチャンスを得られるでしょう。
セキュリティ性の確保
紙の帳票だと紛失や破損のリスクがありますが、電子データは一定のセキュリティ性を確保できます。
書類の内容を書き換えられたり、情報漏洩をしたりといったリスクを軽減できます。
帳票の電子化で生じうるデメリット
帳票の電子化にはメリットがある一方で、下記のようなデメリットもあります。
電子化ツールやシステム導入の初期費用が発生する可能性がある
帳票類を電子化する際には、社内のIT環境を整備したり、システムやツール導入したりと初期費用がかかります。
初期費用よりもコストの削減効果が上回るなら導入の価値はありますが、帳票類が少ないなどそもそもコストがそこまでかかっていない場合は、導入コストのほうが高くなるため慎重に考えることが大切です。
取引先に電子帳票の理解を得る必要がある
紙の帳票類を電子化する際は、取引先からの理解を得ることが大切です。取引先によっては紙でないと困るケースもあります。
理解を得ないまま施策を推し進めると取引先からの信頼を失うことにもなりかねないため、電子発行と紙の発行のどちらにも対応できるよう対策を講じることが大切です。
社内の業務フローを見直す必要がある
紙の帳票と電子の帳票では、業務フローが異なります。電子化移行に際して業務フローを見直す必要があり、慣れるまでは作業効率が低下することもあります。
ただし、属人化していた業務を見直すきっかけにもなるため、必ずしもデメリットになるわけではありません。
帳票をスムーズに電子化するための進め方
帳票の電子化をスムーズに進めるためには、下記のことに留意することが大切です。
帳票を電子化する書類の範囲を決める
自社で扱う帳票類の中から、どの書類を電子化するのかを決めましょう。一度に全ての帳票類を電子化するのは賢明ではありません。
混乱を招く恐れが多く、導入前よりも業務効率が低下することがあります。新しい業務フローに慣れさせるためにも、段階的に進めることが重要です。
業務フローへの影響範囲を確認する
帳票類を電子化した際、業務フローへどのような影響を与えるのか、その範囲はどれくらいかを確認しましょう。
電子化に関わる全ての従業員と連携を取ることは、施策を円滑に進めるためには必要不可欠です。業務フローが不透明な場合は、簡単なもので良いのでマニュアルを作成します。
業務フローを把握することで、電子化の影響を受ける現場の混乱を最小限にできます。
自社システムへの連携可否を確認する
システムやツールを導入する際は、自社システムと連携ができるかどうかも確認しましょう。
連携できないと業務効率化は難しいですし、新たにシステムやツールを導入するとなると多大な費用がかかります。
電子帳簿保存法に対応しているかどうかを考える
電子帳簿保存法に対応しているシステムやツールを選べば、担当者が細かく適用要件を満たしているかを確認する必要はありません。
自社にとって必要な機能があるかどうかを確認する
自社にとって必要な機能があるかどうかも重要です。たくさんの機能を有していても、自社の業務に活かせないなら導入するメリットはありません。何をどこまで電子化したいのか、それを叶える機能はあるのかを充分に考えてから導入を決めましょう。
帳票を電子化する方法
帳票を電子化する方法はいくつかあり、紙の帳票をスキャンしてPDF化する方法や、ExcelやWordで作成した帳票をPDF出力する方法、AI OCRによるテキストの電子化などがあります。
・紙帳票をスキャンしてPDF化
・紙帳票をスマートフォンなどで撮影して電子化
・ExcelやWordで作成した帳票をPDFで出力
・OCRやAI OCRによるテキストの電子化
当然ですが、企業によって適した電子化の方法は異なります。
紙の帳票類がどの程度あるのか、どこまで電子化の範囲にするのかなどを考えた上で、自社に適した方法を探しましょう。
JBAT「ペーパーレスソリューション」導入事例
JBアドバンスト・テクノロジー株式会社(以下、JBAT)の「QanatUniverse ペーパーレスソリューション」は、ペーパーレスに特化したサービスです。
請求書の振り分けや転記業務、アンケートの電子データ化などあらゆる紙業務に対応できる他、最先端のAI技術を搭載したAI OCR技術によっては、手書き文字でも99.2%という高い読み取り精度でデジタル化をすることが可能です。
まとめ
紙の帳票類は多くのコストを必要とするため、早期の電子化を望む企業も少なくありません。
すぐに全ての紙帳票を電子化するのは難しいですが、少しずつ電子化を進めることで経理担当者負担を軽減できるはずです。
まずは自社の紙業務の課題や業務フローを可視化し、改善に適したシステム・ツールの導入を進めてみてください。
帳票類やその他紙業務のペーパーレス化にお悩みの方は、ぜひJBアドバンスト・テクノロジー株式会社へご相談ください。