近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)やペーパーレスなどが推進されており、多様な働き方に対応する企業が増えています。
しかし、バックオフィス業務についてはアナログのままという企業も少なくありません。バックオフィスの効率化は企業活動・企業成長に欠かせないため、早急な対策が必要です。
そこで今回は、バックオフィス業務の課題や効率化のメリット、課題解決の方法やポイントなどをご紹介します。ぜひ、ご参考にしてください。
- 目次
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- バックオフィス業務とは?
- バックオフィス業務のよくある課題
- 業務の属人化
- 人的ミスが生じる
- 他部署との連携が必要で時間や工数がかかる
- アナログ業務が多く働き方の見直しができない
- バックオフィス業務を効率化するメリット
- 人件費や資材などのコストの削減
- 人的ミスの防止
- 業務の属人化防止
- 全社的な生産性の向上
- バックオフィスの離職率の低下
- バックオフィス業務の中で効率化が進んでいる業務
- 勤怠管理関連
- 給与計算関連
- シフト・スケジュール管理関連
- 日報管理関連
- 請求支払い管理関連
- バックオフィス業務の課題を解決する6つの方法
- アウトソーシングの活用
- 社内用チャットボットの導入
- 業務マニュアルの整備
- RPAの活用
- ペーパーレス化の実現
- クラウドサービスの活用
- バックオフィス業務の効率化する際のポイント
- 業務の課題を洗い出す
- 業務課題を解決できるツールやシステムを検討する
- 社内の基幹システムと連携できるか確認する
- 導入検討ツールの操作性を確認する
- 費用対効果を確認する
- JBAT「ペーパーレスソリューション」導入事例
- まとめ
バックオフィス業務とは?
バックオフィス(後方支援)業務は
顧客と直接的に関わることがない社内業務のことで、人事、経理・財務、総務、庶務(一般事務)、労務、法務、情報システム部門などの「事務・管理業務」が挙げられます。
これらのバックオフィス業務は
「間接部門」と呼ばれることもあり、企業の売上に直結するような業務ではありません。
しかし、
フロントオフィスの支援を行うバックオフィスの役割は大きく、企業運営を継続的かつ円滑に行うために必要不可欠な業務といえます。
人事
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人材の採用・育成、人事配置、部署異動など
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経理・財務
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給与明細の作成・支払い、経費精算、予算管理など
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総務
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備品の管理、職場の環境整備など
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庶務(一般事務)
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来客対応、データ入力など
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労務
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勤怠管理、給与計算、福利厚生・保険の手続きなど
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法務
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取引・契約の確認など
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情報システム部門
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基幹システムの整備・運用、セキュリティ対策など
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なお、バックオフィス業務と対極に位置するのが「フロントオフィス」です。
顧客と直接的な関わりを持つ業務のことで、営業や受付、カスタマーサポート、コールセンター、マーケティング、コンサルタントなどが挙げられます。
バックオフィス業務のよくある課題
バックオフィス業務には、下記のようなさまざまな課題があります。
業務の属人化
バックオフィス業務は、事務作業の多さからルーティンワークになりやすいです。
担当する従業員が独自のルールのもと業務を遂行することも少なくないため、担当者が休んだり辞めたりしたときに引き継ぎがうまくいかないという課題があります。
バックオフィス業務の属人化は顧客に迷惑をかけることもあり、結果的に取引停止などのトラブルを招く恐れがあります。
人的ミスが生じる
中小企業やスタートアップ企業によくみられますが、人材不足から他部署とバックオフィス業務を兼任しているというケースも少なくありません。
バックオフィス業務は専門的な知識を必要とするケースが多く、責任ある正確な作業が求められますが、兼任などで従業員の負担が大きくなると人的ミスのリスクが高まります。
他部署との連携が必要で時間や工数がかかる
フロントオフィスの支援という役割から、バックオフィス業務は他部署からの問い合わせが多い部門でもあります。
問い合わせがあるたびに対応や確認に追われることも少なくありません。結果として自分の業務効率が低下し、残業になるケースも珍しいことではないのです。
アナログ業務が多く働き方の見直しができない
冒頭でも述べたように、デジタル化が進まずアナログのままバックオフィス業務を進めているという企業は少なくありません。
例えば「業務マニュアルは紙資料のまま」「発注書や請求書はFAXでやり取り・管理している」「勤怠管理が手書き」「稟議承認には印鑑が必要」など思いあたることがある担当者は一人や二人ではないでしょう。
紙ベースでのアナログ業務は、「複数人で同時に作業ができない」「書類の作成・管理に時間やコストがかかる」「オフィスに出社しないと仕事ができない」などのデメリットがあるため、できるだけ早く改善することが重要です。
バックオフィス業務を効率化するメリット
バックオフィス業務を効率化すると、下記のメリットを享受できます。
人件費や資材などのコストの削減
業務の自動化・デジタル化を行うことで、人件費や資材などのコストを削減できます。
例えば、紙ベースの業務だと担当者の人件費はもちろん、印刷代や保管のための費用がかかります。しかし、ペーパーレス化を進めることでこれらの費用を削減することが可能です。
人的ミスの防止
バックオフィス業務ではデータ集計や照合、システムへの入力などの業務もあります。これらを全て手作業で行っていると多大な時間がかかる他、転記ミスやチェック漏れなどの人的ミスが起こりやすくなります。
しかし、クラウドサービスなどの活用でバックオフィス業務を自動化・デジタル化できれば、人的ミスの防止につながります。
業務の属人化防止
業務の自動化・デジタル化を進めることで、誰もが業務内容を理解し、同じように作業を進められるようになります。
業務の属人化防止にもつながり、万が一担当者が離職してしまっても業務が滞る心配はありません。
全社的な生産性の向上
バックオフィス業務の改善により担当者の作業工数が削減できれば、その分の時間を別の業務にあてられます。
コア業務に注力できる環境を整えることで、企業の生産性を高めることが可能です。
バックオフィスの離職率の低下
業務効率を高めることで残業時間を削減できる他、クラウドサービスなどの活用によりリモートワークの選択肢が増えれば従業員満足度を高められます。働きやすい環境を整えれば離職率の低下にもなるため、バックオフィス業務の効率化は急務といえるのです。
バックオフィス業務の中で効率化が進んでいる業務
バックオフィスにはさまざまな業務がありますが、DX化・ペーパーレス化による効率化を進めているのはどのような業務なのでしょうか。
こちらでは、実際に行われたアンケート調査をもとに効率化が進むバックオフィス業務についてご紹介します。
勤怠管理関連
出勤や退勤、休憩、残業申請、遅刻、早退など、労働時間や労働状況をシステムにより管理している企業は多いようです。
毎日記録しなくてはならないものなので、システム化により業務効率が大きく改善されています。
給与計算関連
勤怠管理関連業務と同様、給与計算関連業務もシステム化が進んでいます。給与計算や賞与計算の他、年末調整、社会保険料額、住民税徴収額など対応する業務は幅広く、人的ミスも少なくありません。
システム化により複雑な計算がミスなく進められるようになったことは、現場の負担改善に大きな影響を与えます。
シフト・スケジュール管理関連
シフトやスケジュール管理関連の業務をシステム化する企業も増えています。
シフトやスケジュールをどこにいても確認できるようにすることで、従業員へのアナウンスを一本化でき、全社的に業務効率・作業効率を高められます。
日報管理関連
日報管理関連業務をシステム化することで、従業員の働きをデータとして可視化できます。
プロジェクトごとの作業時間を把握したり、それをもとに業務を割り振ったりと、次の行動を合理的かつ効率的に進められます。
請求支払い管理関連
取引先からバラバラに届く請求書などを、システムで管理している企業も増えています。
自動で処理されるため、経理担当者などが手入力する必要はありません。紙の請求書でもAI ORCなどで読み取り・テキスト化が進められるため作業負担は軽減されます。
参照:PR TIMES「DXに対するバックオフィスの本音」
バックオフィス業務の課題を解決する6つの方法
バックオフィス業務の課題解決には、DX化やペーパーレス化、システムによる自動化などがありますが、具体的には下記の方法が挙げられます。
アウトソーシングの活用
アウトソーシングは「外部委託」のことです。電話・メール対応やカスタマーサポート、データ入力などバックオフィス業務に多い定型的な業務は、アウトソーシングを活用して解決することが可能です。自社にバックオフィス業務に詳しい人材がいなくても、アウトソーシングなら深い知識や経験、ノウハウを持った人材を獲得できます。
社内用チャットボットの導入
バックオフィスは社内のさまざまな部署から問い合わせがあり、それが大きな負担になっているというケースも少なくありません。
問い合わせ対応の負担を軽減するため、自動で回答する社内用チャットボットを導入してみるのも賢い選択です。
問い合わせ対応に割く時間を短縮できるため、メイン業務をきちんと進められます。
業務マニュアルの整備
業務マニュアルを整備するのも一つの方法です。先で述べたようにさまざまな部署からの問い合わせに対応するのは大変です。
詳細な業務マニュアルを作り共有すれば、従業員が自ら問題解決に取り組めるようになります。
どうしても分からないことはバックオフィスに確認する、という認識を植えつけることでバックオフィス業務の効率化を図れます。
RPAの活用
データ入力や分析、チェック業務、データ連携などの業務は「RPA(Robotic Process Automation)」を活用することで自動化できます。
24時間ノンストップで稼働できるため作業スケジュールを大幅に短縮できる他、人的ミスの軽減にも役立ちます。
ペーパーレス化の実現
請求書や契約書、会議資料などを紙ベースで管理しているなら、ペーパーレス化を進めましょう。紙ベースからデータによるやり取りにシフトできれば、遠方の企業と契約を交わす際にも便利です。
また、アナログな業務を減らすことでリモートワークなどの多様な働き方ができるようになります。この他、紙コストの削減になる他、書類の破損・紛失リスクを軽減できます。
クラウドサービスの活用
外部委託などに頼らず自社で業務を遂行したいなら、クラウドサービスを活用してみてはいかがでしょうか。勤怠管理や給与計算、請求書発行、ワークフロー、電子契約・帳票など、クラウドサービスでデジタル化できる業務はたくさんあります。
ひっ迫している業務から徐々にクラウドサービスを導入してみてはいかがでしょうか。
バックオフィス業務を効率化する際のポイント
バックオフィス業務の効率化を進める際は、下記のポイントに留意しましょう。
業務の課題を洗い出す
業務の課題を洗い出すことで課題に優先順位をつけ、解決に向かって行動します。
課題にアプローチするためのツールの選定にも役立つため、あやふやにせず明確にしましょう。
業務課題を解決できるツールやシステムを検討する
業務効率に役立つツールやシステムは多数ありますが、それが自社の課題解決に役立つとは限りません。
課題を洗い出し、それに適したツールやシステムを比較・検討することが大切です。
社内の基幹システムと連携できるか確認する
社内の基幹システムと連携できるか確認することも大切です。業務において複数のシステムを活用するのは便利ですが、連携できないなら不便さを感じてしまうでしょう。
すでに活用している社内システムと連携できるものを探しましょう。
導入検討ツールの操作性を確認する
操作性は重要な要素です。従業員の中にはITツールに苦手意識を持つ方もいるでしょう。操作性が複雑だと扱う人材が限られてしまい結果として業務の属人化を招く恐れがあるため、誰でも簡単かつ直感的に操作できるものを選ぶことが大切です。
本格的に導入する前に、お試し導入をして従業員の反応を確認してみるのも良いでしょう。
費用対効果を確認する
ツールやシステムの導入にはコストがかかります。膨大な費用をかけたのに効果がなかったという結果にならないよう、費用対効果を確認した上で慎重に導入を検討しましょう。
JBAT「ペーパーレスソリューション」導入事例
JBATの「QanatUniverse ペーパーレスソリューション」は、ペーパーレスに特化したサービスです。請求書の振り分けや転記業務、アンケートの電子データ化などあらゆる紙業務に対応できる他、最先端のAI技術を搭載したAI OCR技術によっては、手書き文字でも99.2%という高い読み取り精度でデジタル化をすることが可能です。
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まとめ
アナログ作業が根強く残るバックオフィスですが、企業のこれからを考えるなら効率化は無視できない課題です。
ツールやシステムを導入することで改善できる業務は多くあります。自社の課題を洗い出し、速やかに業務改善に乗り出しましょう。
DX化やペーパーレス化などにお困りなら、JBアドバンスト・テクノロジー株式会社へご相談ください。