サービスや品質の向上、商品開発、売上アップなどにつなげるため、アンケートを実施している企業は少なくないでしょう。
一般的にアンケートといえば「紙」を想定する方もいますが、インターネットがあたりまえの現代では「Webアンケート」も主流になっています。アンケートを実施する目的や対象に合わせて適切な方法を選択できるよう、それぞれのメリット・デメリットを把握しておくことをおすすめします。
今回は、紙・Webアンケートのメリット・デメリット、アンケートの実施方法を検討するポイント、シーン別のおすすめアンケート方法、紙アンケートを電子保存する方法などをご紹介します。ぜひ、ご参考にしてください。
- 目次
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- 紙アンケートのメリット・デメリット
- 紙アンケートのメリット
- 紙アンケートのデメリット
- Webアンケートのメリット・デメリット
- Webアンケートのメリット
- Webアンケートのデメリット
- アンケート実施方法を検討するポイント
- よくあるシーン別にアンケート方法を紹介
- 展示会
- セミナー
- 店頭
- イベント
- 大多数へのアンケートは紙アンケートの実施後電子化することを推奨
- 紙アンケートを電子化するメリット
- 紙アンケートを電子化する方法
- 書類をスキャンしPDF化
- AI-OCR処理によるテキストのデータ化
- データ入力代行
- JBAT「ペーパーレスソリューション」導入事例
- まとめ
紙アンケートのメリット・デメリット
紙アンケートには下記のようなメリット・デメリットがあります。
紙アンケートのメリット
準備が簡単ですぐに始められる
紙アンケートはパソコンやプリンター、印刷用紙などがあればすぐに始められます。これらの機器はほとんどの企業に設置しているため、アンケートのためにあらためて準備する必要はありません。コストをかけずにスピーディーに対応できるのは大きなメリットといえるでしょう。
年齢問わず簡単に回答できる
紙アンケートの回答方法は、鉛筆やボールペンで書き込むだけ。文字を読み書きできる方なら年齢問わず簡単に回答できるので、幅広い年齢層の方から回答を集めることができるでしょう。スマートフォンやタブレットなどの操作になれていない高齢者へは紙アンケートが大いに役立ちます。
アンケート用紙の配布が簡単
お客さまへアンケートの配布を簡単にできるのも大きなメリットです。店頭などなら商品と一緒に手渡す、セミナーなどでは椅子に置くなど、簡単な方法で手軽に配布できるので、多くの方へアンケートの回答を促すことが可能です。
紙アンケートのデメリット
印刷コストがかかる
紙アンケートは用紙代やインク代などの印刷コストがかかります。アンケートを実施する対象者が多いとコストの負担はより大きくなる他、頻繁にアンケートを実施するとコストが経費を圧迫することも考えられます。
集計に時間がかかる
紙アンケートは集計に時間と手間がかかります。アンケート用紙を一枚ずつ確認しながら表計算ソフトなどにアンケート結果を入力するため、時間に加えて人件費などのコストもかかってきます。コア業務と並行してアンケート集計を進めることは難しいですし、集計作業の問題をクリアできなければ従業員一人ひとりの負担も大きくなります。
アンケート用紙を印刷後に修正ができない
紙のアンケートは印刷後の修正ができません。誤字脱字の修正であってもアンケート用紙そのものを作り替える必要があります。印刷し直すとその分コストがかさみますし、仮に修正テープなどで直そうとしても枚数が多いと時間と手間がかかるので現実的とはいえません。修正箇所が目立つとお客さまからの不信感を集める可能性すらあるため注意が必要です。
回答内容に誤字や入力漏れなどが生じる可能性がある
お客さまからの回答内容にも誤字や入力漏れなどが生じる可能性があります。表計算ソフトなどに入力する際、誤字があり読みづらい、意図が分からない回答があると解読するのに時間を要します。中には悪筆な方もいるかもしれません。正確なアンケート結果を集めるためにも、お客さまがシンプルに回答できるよう工夫が必要です。
Webアンケートのメリット・デメリット
Webアンケートには下記のようなメリット・デメリットがあります。
Webアンケートのメリット
印刷コストがかかりにくい
紙に出力する必要がないWebアンケートは印刷コストがかかりません。また、Web上での回答になるため手渡しや配送などで配布する必要がなく、メールやSNSで一斉にURLを送信すれば多くの方に低コストで手間なくアンケートを配布できます。
年齢問わず簡単に回答できる
Webアンケートは集計と分析に手間がかかりません。そもそもデータ化されているので、アンケート結果を一箇所に集約しやすく、集計や分析が容易に行えます。
顧客データと連動させやすい
自社の顧客データと連動させることも可能です。名前や年齢、住所などがあらかじめ入力された状態でアンケートを配布すれば、お客さまが自ら基本情報を入力する手間を省けます。回答率を高められるため、よりアンケートの精度を高められるでしょう。
Webアンケートのデメリット
アンケートを実施するシステムやページを用意する必要がある
Webアンケートを実施するためには、自社サイト内にアンケートを設置したり、専用のシステムやページを用意したりといった準備が必要になります。Googleアンケートなど簡単に使用できるものもありますが、やはりある程度のスキルは必要になります。
デジタル機器になれないユーザーの回答回収が難しい
お客さまの中には、デジタル機器になれないユーザーも多くいるでしょう。とくに高齢者の方だと、スマートフォンやパソコンの扱いに戸惑う方も少なくありません。アンケートを実施する対象を精査した上で実施を検討することが大切です。
紙アンケートに比べて回収率が下がるリスクがある
紙アンケートは設問数などがひと目で把握できますが、Webアンケートはそうではありません。設問数や所要時間を明らかにしていなければ回答の途中で離脱されることもあります。
アンケート実施方法を検討するポイント
紙アンケートとWebアンケートのどちらを選ぶか悩んでいる担当者さまもいらっしゃるでしょう。
アンケートは調査の対象や目的によって適した方法は異なります。
例えば、回答者の年齢層が若い(デジタルネイティブ世代)なら、紙よりもWebのほうが抵抗なく回答してもらえるでしょうし、セミナーへ来場した方のみなどアンケートの回答を依頼するユーザー数が少ない場合は紙アンケートのほうが配布が容易でしょう。
【検討すべきポイント】
・回答者の年齢層
・アンケートの回答を依頼するユーザー数(配布数)
・アンケートの回答を依頼するユーザーの状況
└忙しいかどうか、働いているか、専業主婦か、子育て中か
など上記のように調査したい対象の状況を鑑みた上で、目的に適しているかどうかを考えて実施方法を検討することが大切です。
よくあるシーン別にアンケート方法を紹介
こちらでは、よくあるシーン別におすすめのアンケート方法をご紹介します。
展示会
展示会では「Webアンケートを推奨されるケースが多い」です。
展示会は来場者数が多く、1つのブースに時間をかけずさっと見て回る方も少なくありません。
その場で回答いただく時間がないという方も多くいらっしゃるため、紙アンケートだと回収率が下がる可能性があります。
とはいえ、帰宅してからWebアンケートに答えてくれる方もそう多くはありません。ブースにアンケート用のタブレットを設置してその場で回答してもらう、QRコードを掲示するなどの工夫を施すと良いでしょう。
セミナー
セミナーでは「年齢層が高い場合は紙アンケートを推奨されるケースが多い」です。セミナー後にアンケートに回答するための時間を設けて、アンケートに記入をお願いする旨を伝えることで多くの方が回答に協力してくれるでしょう。
対して、デジタルネイティブ世代が多いセミナーや、参加者が100人以上の規模になる場合はWebアンケートの実施がおすすめです。
店頭
店頭では「紙アンケートを推奨されるケースが多い」です。幅広い年齢層が訪れるスーパーや商業施設、ホームセンターなどでは、年齢問わず簡単に回答できる紙アンケートがおすすめです。
ただし、渋谷109のように若い世代の方が多く来店する店舗ではWebアンケートのほうが回答してもらいやすいといえます。
対象に応じて柔軟にアンケート方法を変えるというのも重要です。
イベント
イベントでは「Webアンケートが推奨されるケースが多い」です。来場者数の多いイベントでは、紙アンケートの回収は困難です。
イベントを満喫しているお客さまの足を止めてアンケートの記入をお願いするのもハードルが高いといえます。
QRコードを掲示・配布するなどしてWebアンケートへ誘導しましょう。
大多数へのアンケートは紙アンケートの実施後電子化することを推奨
先でも述べたように、紙アンケートは回収後の集計に手間や時間がかかります。
そうしたデメリットを解消する方法として、回収した紙アンケートの電子データ化・Web上での自動集計をおすすめします。
紙アンケートを電子化するメリット
紙アンケートを電子化すると、主に下記のメリットを享受できます。
・集計や分析が容易になる
・グラフ化できる
・保管コストを削減できる
・必要な情報を検索しやすくなる
・劣化しない
・持ち出しによる紛失リスクがなくなる
電子化した顧客情報はExcelなどを使ってグラフ化することが可能です。数値を自動で集計したり、顧客の属性(年齢や性別など)を抽出したりでき、それを用いて分析もできるようになります。
紙のままだと手入力しなくてはなりませんが、一度電子化してしまえば専用ツールなどにスピーディーにアップロードができる他、閲覧したいときは検索窓で簡単に探せます。
この他、保管スペースを必要としないので保管倉庫などのコストを削減できますし、劣化したり持ち出しによる紛失リスクもなくなるので安心です。
紙アンケートを電子化する方法
紙アンケートを電子化する方法は、主に下記の3つです。
書類をスキャンしPDF化
スキャナーでアンケートをスキャンし、PDF化する方法です。オフィスにある複合機(コピー機)でスキャンできるので誰でも簡単に電子化できますが、枚数が多いと手間と時間がかかります。
AI-OCR処理によるテキストのデータ化
AI-OCR(人工知能が搭載された光学文字認識)により、テキストをデータ化する方法です。アンケートの文字情報を機械で読み取ることでスピーディーに電子化できます。大量のアンケートの電子化におすすめです。
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AI OCRとは?メリット・注意点・活用事例をご紹介
AI OCRは、従来のOCRよりも高い精度で文字認識が可能です。大量の紙データをデジタルデータに変換したいなら、AI OCRの利用がおすすめです。本記事では、AI OCRの概要やOCRとの違い、導入メリット、注意点などをご紹介します。
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データ入力代行
データ入力代行を請け負う業者に依頼する方法です。手書きやチェック式など、あらゆる形式のアンケートを代わりに入力して電子化してもらえます。社内での電子化が難しい場合は外部に頼るというのも一つの選択です。
JBAT「ペーパーレスソリューション」導入事例
JBATの「QanatUniverse ペーパーレスソリューション」は、ペーパーレスに特化したサービスです。
アンケートの電子データ化はもちろん、請求書の振り分けや転記業務など、あらゆる紙業務に対応できる他、最先端のAI技術を搭載したAI OCR技術によっては、手書き文字でも99.2%という高い読み取り精度でデジタル化をすることが可能です。
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JBCCグループ業務センターでは、取引先からの紙の請求書や、FAXでやりとりしていた納期回答書をPDF化し、様々な製品やサービスをつなぐクラウドプラットフォーム「Qanat Universe」に取り込みます。毎月900件の請求書の処理を自動化する他、手書きの納期回答書への対応も可能にしています。
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まとめ
紙アンケートとWebアンケートはどちらも優れた点があります。アンケートの対象や目的によって使い分けることで、自社にとって有益な情報を獲得できるようになります。
ただし、紙アンケートを実施した後は電子化し、分析に役立てることが重要です。手に入れたデータをきちんと活用できるように、専用ツールを導入して社内の体制を整えてみてはいかがでしょうか。
紙業務の電子化(ペーパーレス化)についてお悩みの方は、ぜひJBアドバンスト・テクノロジー株式会社へご相談ください。