これまでPDFをテキストデータ化するには手動での入力が必要でしたが、手動入力はミスを誘発するリスクが多く、入力だけでなく修正やチェックに時間がかかりすぎていました。しかし、OCR(光学文字認識機能)を利用することで、PDFのテキストデータ化をより早く、より簡単に行うことが可能です。そこで今回は、PDFをテキストデータ化するメリットに加えて、データ化する方法やツールを導入する際の注意点、おすすめのOCRソフトなどをご紹介します。ぜひ、ご参考にしてください。
- 目次
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- PDFのテキストをデータ化するメリットとは?
- ソフトの利用で手動入力の手間が省ける
- 検索で効率的に情報をピックアップ
- 書類のデジタル化で管理しやすい
- 画像もテキスト化ができる
- 他形式ファイルに変換して保存できる
- RPA 連携で単純作業の自動化
- PDFからテキストデータ化する方法
- Googledriveでテキストデータ化
- Onedriveテキストデータ化
- OCRソフトの活用
- スマホの画像でもテキストデータ化 できる
- OCRソフト導入時に注意したいこと
- OCRソフトでも読み取り精度は100%ではない
- OCRソフト導入にはコストがかかる
- テキストデータの品質管理を怠らない
- 適したグレードのものを選ぶ
- 変換形式や連携機能で選ぶ
- デバイスのOSに対応したもの
- PDFをテキストデータ化できるツール
- 無料と有料のOCRソフトはどちらが良いか
- おすすめOCRソフト
- - ソースネクスト「読取革命」
- - エヌジャーケー「e-typist v.15.0」
- - ワンダーシェアーソフトウエア「 Wondershare PDFエレメント Pro」
- - JBAT「AIOCRパック」
- テキストのデータ化で業務効率化を実現した事例
- まとめ
PDFのテキストをデータ化するメリットとは?
PDFのテキストデータ化を行うメリットは、主に下記の6つです。
ソフトの利用で手動入力の手間が省ける
PDFは画像として保存されるため、テキスト部分をコピー&ペーストしたり編集したりすることはできません。しかし、OCRソフトなどを使ってテキストデータ化するとデータのコピーや編集が可能になります。
検索で効率的に情報をピックアップ
PDFをテキストデータ化することで、データ内の検索機能が使えるようになります。キーワード検索で必要な情報をピックアップできるので、より効率的に業務を進められます。
書類のデジタル化で管理しやすい
膨大な書類をデジタルデータ化すると、属性・タグづけなどで分類できるため整理や管理がラクになります。データをどこに格納するのか、どこに格納されているのかを瞬時に理解できるため、作業効率が大幅に向上します。また、データのバックアップやレプリケーション(複製の作成)が簡単にできるので、情報の安全に利用・管理することが可能です。
画像もテキスト化ができる
OCRを使えば画像内の文字もテキストデータ化できるため、文字だけをピックアップしたいときに便利ですし幅広い情報を有益に活用できます。
他形式ファイルに変換して保存できる
OCRを使うとExcel・Word・PowerPointなど、PDF以外の形式ファイルに変換・保存ができます。社内でのやり取りに有効なのはもちろん、取引先などとデータをやり取りする際にも便利です。
RPA 連携で単純作業の自動化
RPA連携を行えば、PDFからテキストデータ化する作業を自動化できます。単純作業は単調な割に時間がかかります。こうした作業を自動化することで人手をより難しく専門的なコア業務へ割り振ることができるため、業務効率や売上向上を目指せます。
PDFからテキストデータ化する方法
下記の4つの方法を用いることで、PDFをテキストデータ化することが可能です。
Googledriveでテキストデータ化
一つは「Googledrive」を使う方法です。
・GoogledriveにPDFファイルをアップロードする
・Googleドキュメントを開き、画面の左上にある「+新規」をクリックする
・「ファイルのアップロード」からテキスト化したいPDFデータを選ぶ
・アップロード完了後、右クリックで「アプリを開く」からGoogleドキュメントを選択する
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手順はこれだけです。膨大な書類のテキストデータ化には不向きかもしれませんが、シンプルな操作なのですぐにPDFをテキストデータ化したいときには試してみてください。
Onedriveテキストデータ化
Microsoftを使用しているなら「Onedrive」を活用するのも良いでしょう。
・Onedriveにアクセスし、アップロード(ファイルかフォルダを選択)をクリックする
・画像やPDFファイルを右クリック
・テキストが抽出され、コピー&ペーストが可能になる
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Microsoftを使用しているなら「Onedrive」を活用するのも良いでしょう。
OCRソフトの活用
膨大な書類やPDFファイルをテキストデータ化するなら、OCRソフトの活用がおすすめです。
読み取り精度が高いので修正・チェックの手間を短縮できますし、AI(人工知能)を搭載した「AI OCR」を使えば、より高い精度の文字認識が可能になります。
また、繰り返しの学習で手書き文字はもちろん癖のある字体や悪筆な文字にも対応できます。
スマホの画像でもテキストデータ化できる
スマホで撮影した画像もテキストデータ化できます。パソコンに画像を送ってPDF変換したのちにOCRツールなどを使用する、またはスマホに対応した専用アプリを使用します。
GoogleやMicrosoft、Adobe、LINEなど、身近なアプリでテキストデータ化が行えます。
OCRソフト導入時に注意したいこと
OCRソフトを導入する際は、下記の点に注意しましょう。
OCRソフトでも読み取り精度は100%ではない
OCRの文字認識精度は高まってはいますが、それでも100%ではありません。
一見すると問題ないように見えても「文字と文字の間にスペースが入っている」「改行位置がズレている」「誤字がある」などの問題もあるため、修正・チェックの時間を設けることが大切です。
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OCRは本当に実用的?現在の精度や向上させるための方法を徹底紹介
OCRの精度について懐疑的な方もいるかもしれません。そこで本記事ではOCRの概要に加えて、現在のOCRの精度や精度を向上する方法などをご紹介します。OCR導入を検討している方、ペーパーレス化を進めたいという方は、ぜひご覧ください。
事例詳細 ≫
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OCRソフト導入にはコストがかかる
OCRソフトの導入・運用にはコストがかかります。費用がいくらかかるのか、専門家を雇う必要はあるのかなど、全体にかかるコストをおおよそでも計算し、検討材料に加えることが大切です。
プライバシーの取り扱いには要注意
OCRの利用により、社外秘の情報や個人情報が自動で抽出される可能性があります。
絶対にないとは言い切れないため、プライバシーの取り扱いやセキュリティ対策には注意が必要です。
テキストデータの品質管理を怠らない
PDFファイルや画像から自動的に生成されたテキストデータは、OCRが認識しづらいものを使うほど品質が低下します。文字の重なりがないか、画像に歪みがないかなどを最初にチェックするのはもちろん、読み取り後もきちんとチェック・修正を行い品質管理を徹底しましょう。
適したグレードのものを選ぶ
OCRソフトによって使える機能はさまざまです。初心者や個人的に趣味で使用する程度なら基本的な機能を有したスタンダードプランでも良いでしょうが、ビジネス文書を扱う企業ならより高度な機能が使用できるプランを選んだほうが良いでしょう。何に使用したいのか、どの程度の機能がほしいのかを明確にし、それに適したグレードのソフトを選ぶことが重要です。
変換形式や連携機能で選ぶ
PDFをテキスト化した後に他のソフトやアプリで編集したい、請求書やレシートなどの紙書類を電子化したいなどという方は、変換形式や連携機能が豊富なソフトを選びましょう。手入力を省き、自動でテキスト変換を行ったり、他ソフト・アプリ内に自動で入力したりできるので、より作業効率を高められます。
デバイスのOSに対応したもの
ふだんから使用しているデバイスのOSに対応したソフトを選ぶことも肝心です。せっかく高いコストをかけて導入しても、OSに対応していなければ意味がありません。OCRソフトはWindows対応のものは多いですがMacではOSによっては作動しないものもあるため、対応可能かどうかは先に調べておくことが大切です。
PDFをテキストデータ化できるツール
こちらでは、PDFをテキストデータ化できるおすすめのOCRソフトをご紹介します。
無料と有料のOCRソフトはどちらが良いか
OCRソフトには無料と有料があります。どちらも便利なことには変わりありませんが、有料ソフトのほうがたくさんの機能を有しており、また使用デバイスに合わせてカスタマイズしやすいです。ただ最初から有料ソフトを使うのは不安という方は、お試し版や無料体験版などを利用してから選ぶと安心です。
おすすめOCRソフト
スキャンした紙文書のテキストデータ化に向いています。縦書きや横書き、画像や表などが書かれた文書でも再現可能。また、取り消し線や下線がついた文字やFAX、コピーした書類、手書きのメモなども扱えます。
ソースネクスト「読取革命」
スキャンした紙文書のテキストデータ化に向いています。
縦書きや横書き、画像や表などが書かれた文書でも再現可能。また、取り消し線や下線がついた文字やFAX、コピーした書類、手書きのメモなども扱えます。
エヌジェーケー「e-typist v.15.0」
こちらもスキャンした紙文書のテキストデータ化に向いています。
直感的な操作で扱いやすく、つぶれたりかすれたりした文字も問題なく読み取ります。また日本語以外に58か国語の言語に対応しているため、海外のお客さまとやり取りの多い企業にもおすすめです。
ワンダーシェアーソフトウエア「Wondershare PDFエレメント Pro」
PDFをテキストデータ化するのはもちろん、データの編集や調整、追加、削除も簡単に行えます。
操作性もシンプルで、Office製品を使ったときのようにスムーズに扱えます。ExcelやWord、PowerPoint、HTMLなどへの変換も容易ですし、共同作業にも向いています。
JBAT「AI OCRパック」
JBAT「AI OCRパック」は、OCRによる読み取りからPCへの転送処理、基幹システムへの連携までを開発なしで行えます。
帳票をPDF化したら後はkintone上でボタンを押すだけ。スピーディーかつ低コストで精度の高いテキストデータを作れるので、OCRソフトを初めて導入する企業にもおすすめです。
AI OCRパック for kintoneで取引先からの帳票をデータ化
AI OCRパック for kintoneは見積書や注文書、請求書、納品書など紙の転記入力を自動化できる他、紙文書やPDFデータを"テキストデータ"としてシステムに自動取り込みできます。取引先からの帳票はフォーマットもサイズもバラバラ。整えたくても取引先によっては様式の変更に対応できないというケースもあるでしょう。しかし、AI OCRパック for kintoneは形式の異なる帳票も自動で処理できます。AI OCR(人工知能搭載の光学文字認識機能)により手書き文字・活字も高い精度で読み取ります。
テキストのデータ化で業務効率化を実現した事例
まとめ
PDFのテキストデータ化は、手作業よりも専用ソフトの活用がおすすめです。ヒューマンエラーが起きにくく、チェック・修正の時間を短縮できます。また自動でテキスト化を進められるため、空いた時間をコア業務にあてられます。作業や業務効率の向上はもちろん、売上向上にも役立ちます。OCRソフトの導入をご検討中の方は、ぜひJBアドバンスト・テクノロジー株式会社へご相談ください。