今が見える!販売機会を逃さないBIツール WebReport2.0なしでは経営状況は語れない!
会社名 | 富士エレクトロニクス株式会社 |
---|---|
本社所在地 | 〒113-8444 東京都文京区本郷3-2-12 御茶ノ水センタービル |
設 立 | 1970年9月1日 |
資本金 | 48億3,505万円 |
従業員数 | 単体 330名 連結 392名 (平成24年2月期) |
事業内容 | 内外半導体、集積回路、マイクロコンピュータおよび関連機器、各種機構部品 A/D・D/Aコンバータおよびマイコン開発支援装置の開発・設計・国内販売と輸出入 |
URL | http://www.fujiele.co.jp |
富士エレクトロニクス株式会社は、半導体、電子部品、電子機器を扱うエレクトロニクス専門の独立系商社だ。中小企業との取引比率が高く、また取引先の数が多いという特徴を持つ。同社では、顧客の要望に対して世界市場から最適な製品を選び届けるという独立系ならではの「ベストチョイス」を念頭に、全世界の顧客に対してサービスを提供している。
同社がBIツールとしてJBATのWebReportを導入したのは、2007 年3 月のことだ。WebReportは、さまざまなデータベースからデータを取り出し、分析、加工するための、情報分析・予測分析のBIツールだ。基本的にはWebブラウザーからWebReport にログインして操作するが、Excel や PowerPointとの連携機能も強力で、作った資料をそのままExcel で再加工したりPowerPoint から WebReportに直接アクセスしたりと、自由度も高い。
同社ではWebReport 導入以前に他社のBIツールを利用していた。ただしそのツールは多機能、高機能を売りにしたものだったが、実際に使ってみると使う機能はごく一部で、しかも作業が面倒で処理にかかる時間も長かった。利用端末も限られていたために、現場では「すぐに使いたい情報が入手できない」というストレスが溜まっていた。それを劇的に改善したのが WebReport だったのである。
IT戦略グループの鈴木氏は、切り替え当時を振り返り、次のように語った。
「本当はBIツール更新時、そのまま以前のものを使い続ける考えでした。ちょうどその時期JB グループの営業マンに何気なく相談したところWebReport が話題に上り、プレゼンテーションを見せてもらいました。考えを変えたのはそのときです。あまりに操作が簡単で、レスポンスも早い。何しろ取引先の数は約1500 社。レコード数も約180万というデータ量です。以前なら数十分かかっていたデータ抽出が、WebReport なら2、3 秒。このレスポンスの速さは魅力でした。それに導入コストも以前のものと比べて約1/10でした」
またRDBMS のDB2との接続性も高く、将来のサーバー増設にも安心して対応できる。
むしろ問題だったのは、プレゼンテーションが行われた時期が、更新まで2、3 週間しかない切羽詰まった状況だったことだ。通常なら方針を変えるのは思いとどまる段階だが、室長の後押しもあり、急遽WebReport 導入が決まった。システムの移行もわずか1日で済んだ。これには鈴木氏も「1日で終わると聞いていましたが冗談だと思っていました。まさか本当に一日で終わるとは」と驚いたという
WebReportへ切り替えた効果は、多方面に表れた。まず約390人の全社員が WebReportにアクセスし、自ら必要なデータを抽出・加工するようになった。経営層は会社全体の売上や実績などをチェックし意志決定に役立て、部門のリーダーは管轄の実績、受注残や発注残を確認し、営業現場では在庫を顧客の目の前で確認して受注するなど、活発に利用している。そのため、一日の利用件数が数千件に増えた。以前は一日の処理数が2、30 件に留まっていたことを考えると雲泥の差だ。あまりの利用数増加に、2年後の2009 年、WebReport のサーバーを増やし、2 台体制で運用しているほどである。
「今ではデータを抽出する設計さえ済ませておけば、利用者が自分のほしいときにデータをリアルタイムに表示し加工できます。社内はもちろん社外にいても、必要なときにすぐにデータが取り出せます。これで売上を数倍に伸ばした営業マンもいるくらいです」
そしてもっとも使用頻度の高いユーザーは、社長をはじめとする経営陣だった。特に社長は一日数十回という高い頻度で、自らWebReportにアクセスし、現在の売り上げ状況などをリアルタイムに把握し、会社経営に生かしている。以前はIT 戦略グループが資料を作るまで正確な数字が見られなかったのに対し、最新の正しいデータがいつでも見られるようになったことで意志決定のスピードも向上した。
また受発注業務もWebReport 導入によってスムーズになった。もともと取引先や取扱い製品の数が膨大であるが、実際に管理するデータ量はさらに多い。データ管理の上で重要な製品型番は、メーカーにより正式なものが付けられているが、納品したユーザー先でも独自の型番が付けられることが多い。そのため一つの製品がいくつもの型番を持っていることになり、データ管理は非常に煩雑になっていた。
「以前はメーカーとユーザーで異なった型番を一つひとつ照合しなくてはいけなかったのですが、 WebReportでは異なる型番をすべて統合した一覧を作り、同じ画面に在庫も表示させています。仮にその製品が製造終了になっていたら、代替製品もわかるように紐付けしています。これによって現場の作業が非常にスムーズになりました。例えばユーザーから電話で在庫を質問されたとき、ユーザー独自の型番を聞けばすぐに WebReportで調べて即答でき、円滑な受注が可能となりました。」
さらにWebReport の活用法も広がっている。導入当初は、社員が自分で操作してリアルタイムにデータが表示できることを単純に喜んでいたが、コツを覚えると現場で自由にアイディアを出し、「こういう使いかたができないか」と質問してくるそうだ。また社員同士が自分で発案した使いかたを教えあい、互いにスキルを向上させている。
「確かにWebReport は、以前のBI ツールと比べると機能は限られているといえます。しかし大事なのは本当に必要で役立つ機能をどれだけ搭載しているか。そして、見た人に訴えかけるデータ、資料が作れるかです。WebReport のように本当に役立つBIツールとは、IT 戦略グループが無理に啓蒙しなくても、自然に会社全体に広まり、使いかたも現場が自由な発想で膨らませ、試行錯誤して発展させていくものです。こんなツールは滅多にありません」
同社で対費用効果の調査のため、資料作りに関わる時間を集計したところ、WebReport 導入によって短縮された作業時間は年間で数万時間に達したという。この数値からも、WebReportがいかに同社の業務の効率化に貢献しているかが伺える。
WebReport が会社全体に浸透して、IT 戦略グループの負担が減った。また現場からの提案も上がってくるようになった。そういう現場の声には、通常のIT 管理をしているだけでは見えない、本当に業務改善に役立つヒントが埋もれている。会社全体から業務を改善するための新しい発想が次々と飛び出す土壌が生まれたわけだ。
「今では、私たちIT 戦略グループの本来の業務である、営業活動に貢献できるIT システム作り、改善に専念できるようになりました。フットワークも劇的に軽くなり、毎日の仕事が本当に楽しくて充実しています」