イベントアンケートのAI-OCR化により、即日集計直近フォローが実現!本来の分析業務に注力
会社名
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スーパーストリーム株式会社 |
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所在地 | 東京都品川区東品川2-4-11 野村不動産天王洲ビル |
設 立 | 1986年12月(日本での事業開始はマコーマック&ドッジ・ジャパン株式会社より) |
資本金 | 1億円 |
事業内容 | ソフトウェア・パッケージの企画・開発・販売/ 販売製品のトレーニングおよびサポート/システム導入のコンサルティング |
URL | https://www.superstream.co.jp/ |
スーパーストリーム株式会社は、「日本の会計・人事を変える。"もっとやさしく""もっと便利に"企業のバックオフィスを最適化」することを目指し、会計、人事システム「SuperStream」の開発・販売を行うメーカー企業だ。 国内の中堅・大手企業を中心に支持を受け、累計導入企業数が9,000社(2019年3月末時点)を超える実績を誇る。同製品は特に機能の充実度について高い評価を得ており、国内のみならず海外の日系企業にも利用が広がっている。
スーパーストリーム株式会社(以下、スーパーストリーム)では、自社製品のビジネス拡大を目的として、 毎年50近くのセミナーや展示会などのイベントを実施しており、年間数千枚のアンケートを収集してビジネス活動に活用している。 特に年一回開催している自社主催イベント『SuperStream Forum』や展示会では、数百名単位のアンケートを回収するため、アンケートのデータ化を外部に委託、または内部でデータ化していた。
当時の課題について企画開発本部 商品企画部担当マネージャーの中川氏は次のように振り返る。
「当社ではセミナーなどのお客様とリアルに接することが出来るイベントを、非常に大切だと考えています。 お客様が製品に関心をもって会場まできていただけるだけでありがたいことですし、貴重な生の声を聞くことができる非常に良い機会だと考えています。 しかしながら、その入手したアンケート集計が大変で、例えばアンケート結果のデータ化を外部に委託した場合には、通常10営業日程度の時間がかかってしまいます。 もちろん費用によっては特急で対応してもらうことは可能ですが、それでもデータの入手まで5営業日かかっていました。 アンケートのフォロー対応は、開催日から日が経ってしまうとどうしてもお客様の熱が冷めてしまったり、開催内容について記憶が薄れてしまったりする部分があります。 また、営業部門へフォローをお願いするにしても、アンケートをデータ化はするだけでなく、確認や加工作業が必要となります。 そのため、どうしてもイベントの開催からフォローの着手まで日が空いてしまうという課題がありました。」
【企画開発本部 商品企画部 担当マネージャー 中川 典彦氏】
また、アンケートの量が多い時はまとめる作業だけでも大変で、集計作業にリソースを割いてしまい、分析の作業に時間をあまり取れないこともあったという。 そのため、商品企画部にとってアンケート業務の改善は喫緊の課題だった。
この作業から脱却するために色々なツールを検討することになり、当初は電子デバイスの利用やマークシートでのアンケート実施も検討した。
しかし、電子デバイスは配布コストが高く導入へのハードルが高いという問題があり、
マークシートはフリーコメント欄を設けることができず、 アンケートとして必要な回答を得られないため、どうしてもそれらのやり方では同社の要望を叶えることが出来なかった。
そのため、スーパーストリームでは、JBアドバンスト・テクノロジー(以下、JBAT)の『Qanat Universeアンケートシステム』を採用することを決めた。
同社のAI-OCRは手書き文字のデータ化に定評のあるCogentLabs社の『Tegaki』を採用しており、自社のイベント運用にマッチしていると感じたという。 「採用の一番の理由はスピード感です。単純な外注とのコスト比較だけではなく、リアルタイム性を重視しました。 データ化だけで5営業日以上空いてしまうのは機会損失につながってしまうので、そこを解決したかったのです」(中川氏)
スーパーストリームでは、イベント当日に会場にスキャナを持ち込んで、数百枚のアンケートのデータ化を現地で行うことにした。
「会場でスキャンしたアンケートのPDFデータをQanat Universeにアップロードすると、
たった30秒程度で総じて精度の高いデータが保存されていました。
JBATさんの開発の方が30秒に1枚ずつ手でタイピングしてくれていたわけじゃないですよね?
人が入力しているのと変わらないくらい高い精度だったので、非常に驚きました。
何より、アンケートの速報値を当日の現地で見られるというスピード感に感動しました」(中川氏)
それ以外の効果としては、イベント運営を委託している会社や企画部門のメンバーとその場でアンケート結果を共有でき、 次回開催時にはどのようにすべきかと改善策をその場で話し合うことが出来たのも大きかったと中川氏は語る。
また、アンケートのフォームは昨年までのアンケートとほとんど変わらないフォームを使用した。
そのことも上手く行った要因だと企画開発本部 商品企画部の川村氏は指摘する。
「過去のアンケートの比較という点ももちろんですが、チェック項目やフリーコメント欄などの入力も行いたかったので、今までと同じアンケートを利用したいという思いがありました。
今回の『Qanat Universeアンケートシステム』では、アンケートの設問や回答形式は今まで通りのものを使うことが出来ました。設問の幅を少し変更したくらいですね。 見た目、内容ともに今まで通りのアンケートだったので、来場者に変わったことを意識させずに入力してもらうことが出来たと思います。
当社の社員でさえ、昨年とアンケートの見た目が変わっていないので、
AI-OCRを使ったということに気が付いていないかもしれません」(川村氏)
【企画開発本部 商品企画部 川村 瑞樹 氏】
~ アンケート用紙から個人情報を排除 ~
今回のアンケートでは、アンケート回答者欄の識字率をアップさせることを目的に、以前は回答者の会社名と氏名を記名制にしていた部分を、 受講票に記載してある5桁のIDを記載してもらう方式にした。 これにより、識字率UP以外にも個人情報保護の点で効果があったという。 「前回までのイベントでは、個人情報がアンケートの用紙に記載してありました。
そのためイベント当日のアンケートの管理や移送に非常に気を使っていましたが、IDのみの記載に変えることでお客様の記入の負担が減るだけではなく、 個人を特定できる情報とアンケートを別に管理することができるようになりました。 最終的なデータ化の際にはアンケートの回答とイベント申し込みの個人データを紐付けなければならないのですが、 その点についてもJBATさんのExcelデータ加工ツール『デジピタ!』を使うことで、ピタッと簡単に名寄せすることができました」(中川氏) 通常のOCRよりも格段に識字率が高く、製品名などの特有の単語もきちんと読み取ってくれた、と嬉しそうに川村氏は語る。
「AI-OCRの読み込み精度が高いので、データ取得後の営業フォローデータ作成作業もたった半日程度で終了することができました。 今回のQanat Universeアンケートシステムでは、1画面内にアンケートの画像データと読み取り結果のテキストデータが表示されているので、データを編集する際の労力がぐっと減りました。 以前は紙とディスプレイと見比べてデータを修正していたのですが、今回は目線が泳ぐこともなく非常に楽でした」(川村氏)
数字の誤認識もほとんど無かったという。数字で記載されたIDは高い精度で読み込めており、桁数の間違いなどの記入者によるミスを除いてはほぼ100%の精度だった。 「回収したアンケートのうち、数枚は読めないものもありました。ただそれは、私自身でも認識が難しいものでした。 それ以外にも読解が難しい文字があったのですが、むしろ人が読めないような文字でもきちんと認識していたため、高い識字率を実感しました」(川村氏)
「例えば外部に委託した場合、読めない文字は責任が取れないので推測できる場合でも"■"等で記載されて戻ってきます。 AI-OCRであれば学習して前後の文脈で判断して結果を返してくれるので、人間よりもAIの方が親切です」(中川氏)
【Qanat Universe アンケートシステム 結果画面(右)にはサイボウズ社の『kintone』を採用。
1画面で結果の確認が可能】
最後にイベントやセミナーでのアンケート集計業務について、中川氏は次のように展望を語ってくれた。
「今後は当社で開催する全てのセミナー、イベント、展示会のアンケートに『Qanat Universeアンケートシステム』を 取り入れたいと考えています。例えばセミナーは小さいものだと参加人数が10名程度の時もありますが、 枚数が少なくてもアンケートの集計にかかる手間は一緒です。 アンケートの集計は手間や時間などの労力が必要な業務ですが、本来はアンケート結果の分析や改善に注力していくべきでもあります。
アンケート集計業務の無駄をなくし、その空いた工数で分析に力を注いでいきたいです」(中川氏)