JBサービスは、重点施策であるWebマーケティング強化の一環としてホームページからのOI発掘を行うために、マーケティングオートメーションツール(以下、MAツール)を導入し、過去のイベント来場者に対するメールマガジンの配信運用をスタートした。その中心になって活動しているサービスマーケティングの丹羽氏はメール配信先をより拡大するために、営業の手持ち名刺を回収し、名刺管理システムにて顧客情報のデータ化を実施した。名刺管理システムのデータをMAツールにアップロードし、メールマガジンの配信をスムーズに運用するためには、データのレイアウトや必要な項目を統一化し、重複や不完全な項目のクレンジングが不可欠となった。 「このデータクレンジング作業はExcelでの手作業で非常に時間がかかり、かなり苦戦していました。その上データの入力ミスは個人情報漏洩事故につながるため、手が抜けませんでした」と丹羽氏は語る。 さらに、メールマガジン配信のためのデータ加工業務以外にも、同じマーケティングの中にもExcelの加工業務が複数あり、効率化が課題になっていたため、RPAによる自動化を検討し始めた。
デジピタ!導入前は月1回半日をかけて、営業の手持ち名刺を100枚程Excelへ追加。その後メールマガジンの配信 許可が得られているかどうかを各担当営業に確認し、メールマガジン配信用のMAツールへアップロードするという地道な作業を強いられた。 業務効率化を目指し、既に活用されていたRPAツールへの置き換えを検討したが、EXCELによるデータ整備は操作ステップが多く、一般的なRPAが苦手な分野であることが判明。そんな折にExcelのデータ加工に特化した「デジピタ!」の存在を知った。 「実際にイベントでデモを見せていただき、操作性の良さ、クラウドによる手軽さなどを評価しました。リーズナブルな価格も魅力でした」と丹羽氏は語る またJBアドバンスト・テクノロジー(以下JBAT)が定期開催している『デジピタ!ハンズオンセミナー』に参加し、基本機能を体感、社内の複数の業務に適用できると考えたためすぐに上申し、契約を決定。
デジピタ!導入当初は、担当者がマニュアルを見ながら、単純な作業項目から自動化を適用していた。デジピタ!だけでは自動化がうまくいかない部分は、Excelでの手作業を間に挟み、複数のファイルに分けて運用を回していた。 しかし、運用がこなれてくると、当初は不可能と思っていた部分もデジピタ!の機能で自動化できることがわかり、現在は名刺リストからMAツールにアップロードするまでのデータ加工の一連の作業をほぼすべて自動化できている。この作業の自動化でタイムリーな情報配信によるお客様満足度向上も期待できる。 「手作業で100レコードあたり半日近くかかっていた作業が、デジピタ!起動から終了まで5分程度で完了。おかげで、お客様へのタイムリーな情報配信でお客様満足度も向上。信単なる作業時間の短縮だけでなく、ミスが許されない個人情報を取り扱うにあたっての重複削除など手作業ミスのリスク回避と作業工程の見える化によるブラックボックス化解消はとても大きなメリットです」と丹羽氏は声をはずませる
今後は適用業務をもっと拡大し、社内にスキトラして業務効率化を図っていく予定だ。 デジピタ!のポテンシャルは高く、まだまだ社内で活用できる、と丹羽氏は考えている。 「ハードウェア保守サービス等の膨大なリストを扱う保守業務にも活用し、さらに働き方改革の推進に取り組んでいきたい」 JBサービスの業務改革はますます進んで行くことになりそうだ。
作業項目 | 作業内容 |
Excel起動 | 名刺管理システムからエクスポートしたファイルを開く |
不要データの削除 | フィルター機能で削除フラグのついたレコードを絞り削除 |
個人名の名寄せ | メールアドレスをキーに並べ替え |
目検で個人名・法人名をチェックし重複データを抽出 | |
名刺交換日付が古いものを選択して削除 | |
住所の正規化 | 郵便番号データ(http://zipcloud.ibsnet.co.jp/)を開く |
フィルター機能で郵便番号が空白のレコードを絞り、VLOOKUP関数で郵便番号データを検索して、正しい郵便番号を入力 | |
フィルター機能で都道府県が空白のレコードを絞り、VLOOKUP関数で郵便番号データを検索して、正しい都道府県名を入力 | |
式を値に変換 | |
郵便番号データにマッチしなかったレコードを探し、手入力 | |
手作業で住所を“市区町村以下”と“ビル”に分割 (厳密にできていない) | |
必要な情報の追記① | 担当営業のメールアドレスを入力する列を新たに追加 |
営業リストを開く | |
VLOOKUP関数で営業マスターを検索してメールアドレスを入力 | |
式を値に変換 | |
必要な情報の追記② | 競合・パートナー情報を入力する列を新たに追加 |
競合・パートナーリストを開く | |
VLOOKUP関数で競合・パートナーリストを検索して、“競合・パートナー”フラグを入力 | |
インポート用ファイル | インポート用テンプレートを開く |
インポート用テンプレートのレイアウトに合わせて、列を並べ替え | |
インポート用テンプレートにレコードを貼り付け | |
必要な情報の入力③ | リードソースの列に“名刺交換”を入力 |
ファイルを保管 |