【2024年最新】電子帳簿保存法のスキャナ保存制度とは?要件など解説

2024/02/06

2022年の電子帳簿保存法の改正により、スキャナ保存制度の導入を検討する企業が増えています。従来からある制度ではありますが、法改正により導入へのハードルが低くなったことが要因と考えられます。
しかし中には、「スキャナ保存って何?」「聞いたことはあるけどよく知らない」などという方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、スキャナ保存制度の概要と改正内容、スキャナ保存の対象となる書類、スキャナ保存の要件などをご紹介します。スキャナ保存のメリット・デメリットにも触れているので、ぜひご参考にしてください。

目次
    1. スキャナ保存制度とは
    2. スキャナ保存制度の2023年最新の改正内容
      1. 解像度・階調・大きさに関する情報の保存が不要になった
      2. 入力者等情報の確認要件が不要になった
      3. タイムスタンプ要件が緩和された
      4. 帳簿との相互関連性の確保が必要な書類が重要書類に限定になった
    3. スキャナ保存の対象となる書類
      1. 重要書類
      2. 一般書類
    4. スキャナ保存するための要件
      1. スキャナ単体の要件
      2. スキャナ保存する際のシステムの要件
      3. スキャナ保存する際の運用の要件
    5. スキャナ保存に対応するメリット
      1. 紙管理のコストとスペースを削減できる
      2. 書類を探す手間が減り業務効率化と生産性の向上につながる
      3. 書類の紛失や改ざんなどのリスクを防げる
    6. スキャナ保存制度に対応するデメリット
      1. 要件を満たしたシステムを用意する必要がある
      2. 使い方などの社内周知に手間がかかる
    7. スキャナ保存制度に対応できるペーパーレスソリューション
    8. まとめ

スキャナ保存制度とは

スキャナ制度とは領収書や請求書、見積書、納品書、帳票など紙ベースで発行・受領した国税関係書類・経理関係書類を、紙で保存する代わりにスマートフォンやスキャナで読み取り電子データで保存できる制度のことです。
電子帳簿保存法により定められた制度ですが、これまでは導入するための要件を満たすことが難しく、あまり普及している印象はありませんでした。しかし、2022年の法改正により要件が緩和されたことを受け、導入を前向きに検討している企業は増えています。
混乱なく導入に踏み切れるように、改正内容を確認しましょう。


スキャナ保存制度の2024年最新の改正内容

先でも述べたように、スキャナ保存制度は2022年の法改正により適用要件が緩和され、導入のハードルが下がりました。
改正後の内容については下記をご覧ください。

解像度・階調・大きさに関する情報の保存が不要になった

国税関係書類をスキャンする際、解像度や階調、大きさに関する情報も保存する必要がありましたが法改正により不要となりました。ただし、解像度(200dpi)や階調(原則カラーだがグレースケールでも良いケース有)などの要件そのものに変更はありません。

入力者等情報の確認要件が不要になった

スキャナ保存を行う際、記録事項を入力する方や、その方を直接監督する方に関する情報も確認できるようにする必要がありましたが、要件そのものが廃止されました。

タイムスタンプ要件が緩和された

これまで書類の受領者は受け取ってから3日以内に書類に署名した上でスキャンし、タイムスタンプを付与する必要がありました。しかし現在は受領者の署名は不要で、また受け取ってから最長2か月と7営業日以内にスキャンし、タイムスタンプを付与すれば良いとなっています。

帳簿との相互関連性の確保が必要な書類が重要書類に限定になった

スキャナ保存の際、スキャンする書類と帳簿との関連性を確認できるようにしなくてはなりませんでした。しかし、相互関連性の確保が必要な書類は重要書類(※1)だけとなり、一般書類(※2)に関しては不要となっています。
※1:契約書・領収書・送り状・納品書など資金やモノの流れに直結・連動する書類
※2:見積書・注文書・納品書の写しなど資金やモノの流れに直結・連動しない書類
参考:国税庁「電子帳簿保存法の内容が改正されました」


スキャナ保存の対象となる書類

スキャナ保存の対象となる書類

先でも軽く触れましたが、こちらではスキャナ保存の対象となる書類についてご説明します。

重要書類

重要書類は「資金やモノの流れに直接関係する書類」のことです。下記の書類が重要書類に挙げられます。

重要書類(重要度:高い)

契約書、領収書

重要書類(重要度:中程度)

請求書、納品書、送り状、預かり証、信用証書、預金通帳、小切手、約束手形、社債申込書、有価証券受渡決算書、輸出証明書、契約申込書(定型的約款なし)

写しも含め


一般書類

一般書類は「資金の流れに直接関係しない書類」のことです。下記の書類が一般書類に該当します。

一般書類(重要度:低い)

検収書、入庫報告書、貨物受領書、見積書、注文書、契約の申込書(定型的約款あり)

写しも含め


スキャナ保存するための要件

スキャナ保存のための要件は下記のとおりです。

スキャナ単体の要件

書類を電子データにする際は、解像度200dpi以上の読取ができ、かつカラー画像による読取ができることとされています。ただし、一般書類であればグレースケール画像(白黒画像)でも可能です。

スキャナ保存する際のシステムの要件

スキャナ保存ではシステム関係の要件も定められています。

ヴァージョン管理

国税関係書類に関係する電磁的記録の記録事項を訂正した、または削除した場合、内容を確認できる電子計算機処理システムか、訂正・削除ができない電子計算機処理システムを使用すること。

電子計算機処理システムの概要書類等の備付け

電子計算機処理システムの概要を載せた書類、システム開発の際に作成した書類、操作説明書、電子計算機処理と電磁的記録の備付け、それらの保存に関する事務手続きを明らかにする書類を備え付けること。


スキャナ保存する際の運用の要件

入力期間には制限があり、早期入力方式と業務処理サイクル方式があります。前者は国税関係書類の記録事項入力を、受領後速やかに行うこととしており、期間はおおむね7営業日以内と定められています。一方後者は記録事項入力の期間を、その業務の処理にかかる通常期間(最長2か月以内)が経過したのち、速やかに行うこととしています。
つまり「最長2か月と7営業日」です。
参考:国税庁「はじめませんか、書類のスキャナ保存!」


スキャナ保存に対応するメリット

スキャナ保存に対応するメリット

スキャナ保存に取り組むメリットは、主に下記の3つです。

紙管理のコストとスペースを削減できる

国税関係書類は長期間の保存が義務付けられているため、紙ベースだと管理にコストとスペースを必要とします。
しかし、スキャナ保存により電子データでの保存ができれば、コストとスペースを削減することが可能です。

書類を探す手間が減り業務効率化と生産性の向上につながる

仮にきれいにファイリングしていても、たくさんの書類の中から必要なものを探すのは手間と時間がかかります。スキャンしてデータにすれば、対象の書類を検索により瞬時に見つけることが可能です。
空いた時間をコア業務にあてられるため、業務効率化だけでなく生産性の向上にもつながります。

書類の紛失や改ざんなどのリスクを防げる

電子データ化してクラウド上などに保存すれば、紛失や改ざんなどのリスクを防ぐことができます。アクセスする人を制限したり閲覧制限をかけたりすることも可能です。仮にデータに手が加えられても履歴を確認できるため安全に管理できます。


スキャナ保存制度に対応するデメリット

スキャナ保存制度にはメリットがある一方で、下記のようなデメリットもあります。

要件を満たしたシステムを用意する必要がある

スキャナ保存するためには、要件を満たしたシステムやスキャン機器などを用意しなくてはなりません。
導入コストがかかるため、事前にどれくらいかかるのかなどを調べておくと安心です。

使い方などの社内周知に手間がかかる

スキャン作業は法律に則って行う必要があります。運用ルールをしっかりと決めて、社内周知をしなくては作業はスムーズにいかないでしょう。


スキャナ保存制度に対応できるペーパーレスソリューション

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まとめ

要件の緩和などからスキャナ保存制度の導入を実施する企業は増えていくことが予想されます。導入があたりまえになる前に、きちんとスキャナ保存制度のことを理解し、いずれ自社に導入が決まってもスムーズに対応できるように準備をしておくことが大切です。
スキャナ保存制度を利用してペーパーレスを実現したい方は、ぜひJBアドバンスト・テクノロジー株式会社へご相談ください。

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